大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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前回の続き。
舞鶴の女子殺害事件で、60歳の男性の弁護士が、家宅捜索に対して準抗告をした。
「準抗告」というのは、裁判官の判断に対する異議申立てのことだと思ってください。
たとえば、被告人が有罪判決を下された場合、それに不服なら、高等裁判所に「控訴」したり、最高裁に「上告」したりすることができる。そういうものの一種です。
「抗告」って何だとか、なぜ準優勝みたいに「準」がついているのかとか、きちんと意味はあるのですが、長くなりますし、聞いても面白くない話なので省略します。
準抗告は刑事訴訟法という法律に定めがあり(429条)、
一番よく行なわれるのは、逮捕された容疑者にさらに10日間の「勾留」を裁判官が認めたときに、それに対して不服を申し出るというものです。
でも実際には、弁護側が準抗告をしたところで、棄却されて認められないことが大半です。
今回の事件ではどうだったか。
準抗告が出たということで、京都府警は捜索を取りやめにした。
法律上は、弁護士の準抗告が出たからと言って、すでに家宅捜索の令状が裁判官から出ているわけだから、取りやめにしないといけない決まりはない。
だからこれはたぶん、京都府警が慎重を期したのだと思います。弁護士の準抗告を押し切ってまで家宅捜索をして、それで何も証拠が出てこなかったら大失態のそしりを免れなくなることを恐れたのでしょう。
その後になって、弁護士からの準抗告は棄却されて、改めて裁判官から警察に家宅捜索の「お墨付き」が与えられました。
弁護士が争ったことは最終的にはハネられたわけですが、
結果的には、一弁護士のやった準抗告が、警察に慎重な捜査を促すきっかけとなったわけです。
私自身、弁護士として8年間、それなりに刑事弁護をやってきまして、「準抗告はやってもムダ」と思ってしまいがちだったのですが、改めてこの準抗告の重みを認識しました。
とはいえ私もこの事件に関してはヤジ馬なので、家宅捜索から何が出てくるのかはちょっと楽しみにしています。
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