忍者ブログ
大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
[15]  [14]  [13]  [12]  [11]  [10]  [9]  [8]  [7]  [6]  [5
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

舞鶴女子殺害事件について、もう少しだけ。

家宅捜索が先週末から始まり、今日もまた引き続き行なわれるらしい。
捜索の結果、自転車が出てきたとか(防犯カメラに映っていたものかどうかは不明)、情報は小出しにされていますが、凶器などの物証は出たのか、肝心なところは明らかにされていません。
(これは当然のことで、警察としては手持ちのカードを最初から公表しないといけない義務はありませんので)

最も注目すべきは、弁護士が家宅捜索に立ち会ったということです。
捜索をしてよいかどうかは、前回も書いたとおり、裁判官が令状を出すかどうかチェックしますが、弁護士に立ち合わせないといけない決まりはない。
私自身、刑事事件を受け持った際、家宅捜索に立ち会った経験はありません。

捜査の段階での行為(逮捕、勾留、取調べ、捜索、押収など)は、裁判官の許可のもとで警察・検察が行なうことで、弁護側は基本的に口出しできないし(準抗告という手はあるけどほとんど認められないのは前回のとおり)、立会いもできない。

それでも、あえてこの捜索に弁護士を立ち会わせたのは、京都府警がよほど「公明正大にやっています」ということをアピールしたいためであって、裏を返せばそれだけ「実はちょっと問題がなくもない」ということを京都府警自身がよくよくわかっているのでしょう。

見込み捜査の疑いも強いのですが、それでも、こういうケースがきっかけとなって、「問題となる余地を含む場合は弁護士を立ち会わせる」という慣行ができれば、捜査の行き過ぎを防ぐことができるかも知れません。

しかし、何日間もかかりきりで家宅捜索に立ち会わないといけない(その間、他の仕事ができない)というのは、一弁護士にとっては正直なところ大きな負担ではあります。

この事件には引き続き注目していきたいとは思いますがひとまずここまで。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
無題
新聞などの報道だと、よく事情がつたわってこないのですが、今回の立ち会いは刑事訴訟法113条1項にもとづく立ち会いと考えていいのですよね。
よっちゃん 2008/12/01(Mon)16:57:21 編集
無題
私の間違いでした。刑訴法222条は113条1項を準用していないのでしたね。
そうすると、たしかに、今回の措置は画期的ですね。
よっちゃん 2008/12/01(Mon)17:04:22 編集
初コメントですね。
よっちゃん様、
初のコメントありがとうございました。

そうです、捜査段階の捜索差押えの立会いは刑訴法上、認められていないということで、
今回のは注目に値するかと。

もっとも、もし立会権が認められているとしても、率直に言って時間的負担が大変だから頼まれても立ち会えないなあと思いました。
山内 2008/12/01(Mon)23:19:05 編集
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
お知らせ
一時的に戻ってきました。 左上に「裏入口」という小窓が出てくるかも知れませんが、当ブログとは関係ありません。おそらくアダルトサイトへの入口なので、クリックしないでください。
現在の来訪者数
ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ [PR]