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大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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大阪・西天満での、大阪地裁の新館建築騒動、続き。

周辺住民の同意がないままに着工されようとしていることについて、「法の番人」がそんなことしていいのか、というニュアンスの記事をネットニュースなどで見ました。しかし、先に結論を言ってしまうと、裁判所のやっていることは違法ではありません。

大阪地裁の敷地はたぶん国有地で、その敷地内に裁判所新館という国の建物を建てるわけです。自分の土地に自分の建物を建てるのと同じで、本来、他人に横やりを入れられる筋合いはない。

ただ、都市計画法や建築基準法の規制上、この地域では何階建て以上はダメとか、耐震強度を備えていないとダメといった規制はあるのですが、そうした基準を数字の上でクリアしていさえすれば、役所が建築確認を出し、建築ができるようになる。

では、周辺住民への説明会を開催したというのは、何のためなのか。
昨日の新聞記事によると、大阪地裁は「大阪府の規定」に基づいて説明会をした、とありました。「規定」というのが微妙なところです。国会が作った法律でも、府議会が決めた条例でもない。

これは「建築指導要綱」などと呼ばれるもので、役所が作ったものです。役所(行政)は法律を作る権限はないので、これには法的効力はなく、あくまで、「行政指導」です。
「大きな新築建物を建てる場合は、周辺住民によくよく説明して、できればOKを取りつけてくださいね」という、役所の指針というか「お願い」に過ぎません。

もちろん、周辺住民との調和のためには、そのお願いに基づいて住民の同意を取り付けるのが望ましいのは当然です。ただ大阪地裁は説明会を5回ほど開いているようですので、説明義務は果たした、ということでしょう。
そして今後、建築確認に基づいて建築を進めることに違法性はありません。

それにしても、私の事務所は裁判所からやや離れたところにあるせいもあって、建築反対デモを起こした西天満の人々の気持ちは今ひとつよくわかりません。

しかし、傍からみていて思うのは、西天満という、駅からのアクセスも悪く、便利でもない土地なのに賑わっているのは、裁判所があるためで、裁判所相手に仕事している弁護士が集中するからです。
だからこそ、ビルには空室がほとんどないし、ちょっと上品で高い料理屋でも弁護士の客がついてそれなりに繁盛する(弁護士の私が言うと手前味噌ですが)。

つまり裁判所と西天満の人々は「共存共栄」でやってきたと思うのです。
裁判所の肩を持つつもりはないのですが、新館建設でもいいじゃないの、もっと人が集まるし、というのが個人的な感想です。
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