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大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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今回は単なる雑談です。

麻生総理の支持率の低下が著しいです。
この人、失言は多いし、漢字は読み間違えますが、何かこれといった失策をしでかしたわけではない。景気は悪化したし、党内も政局もゴタゴタしてますけど、それも麻生総理の責任ではないようにも思う。

判官びいきの私としては、引き続き麻生総理をそれなりに応援したいと思います。

麻生総理の漢字の読み間違えの多さも、これも愛嬌のうちだと考えています。
池田元総理はかつて、「エチケット」のことを「エケチット」と言ったという、今では考えられない間違いをしています。それでも池田総理は今でも名宰相と言われている。
漢字の読み間違えなど、カタカナの読み間違えに比べればかわいいものです。

しかも最近、麻生総理がニュース番組などで画面に出てくると、「また何か漢字の読み間違えをしたのかな」と思って、つい画面を見てしまっていることに気付きました。
画面に出てくるテロップと見比べながら、麻生総理の発言をきちんと聞くようになった。

ここで私は、英国元首相のチャーチルの逸話を思い出すのです。

チャーチルはよく、大きな葉巻をくわえながら公衆の前で演説していた。
公衆は、チャーチルの葉巻の灰がいつポロリとこぼれ落ちるかが気になって、知らないうちにチャーチルの顔や手元をずっと見ているうちに、その演説に引き込まれてしまう。
実は葉巻の灰がなかなか落ちないのには仕掛けがあって、葉巻の中に細い針金が仕込まれていたのです。

麻生総理も葉巻が好きだからこの話を知っていて、公衆の注意を引きつけるために計算ずくで漢字を読み間違えている……というわけでは、さすがにないでしょうね。

一国の総理が判官びいきにされること自体、すでにかなり危機的なことかも知れませんが、とりあえず麻生総理にはしっかりがんばってもらいたいものだと浅く考えています。
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今回の話はあくまで軽い雑談としてお読みください。

麻生総理が、「医者には社会的常識のない人が多い」と発言した。
その趣旨や文脈はともかく(親族が地方で病院を経営していて、病院経営の大変さを言ったものらしいのですが)、一般論として「医者は非常識だ」と言ったととられても仕方がない。

医師会は、私が思っていた以上の猛反発をしました。日本医師会の会長が、首相官邸に乗り込んで抗議したとか。
私は最初に麻生総理のこの発言を聞いたとき、医師会なら笑い飛ばすかな、とも思っていたのです。

たとえば、私たち弁護士の業界に関していうと、社会的常識のない人の割合が確かに多い。
それはどうしてかと言うと、一昔前の司法試験が異常に難しくて、それに受かることができるのは、よほどの秀才か、社会的常識を身につける機会がないくらいに勉強した人だけだったからです。

法律という専門的知識を身につけたから、その世界では生きていけるけど、それ以外の世界では通用しないであろう人も多い(例 横柄である、他人の話をきちんと聞けない、書面の締切りを守らない、客の金を横領する、脱税して国外逃亡する、つまらないブログを日々書いている等々)。

医師の世界も、似たような部分があるように思う。弁護士や医師に限らず、プロの世界は、ある程度そういうものだと思います。
そういう世界の人々は、社会的常識ではなく、自身の専門的知識や職能を頼みにしていきている。だから、個人レベルでは「常識がない」と言われても、「だから何だ?」と笑い飛ばすことができる。

ですから、今回の医師会の猛反発、これはまさに「政治」なのだろうなと思います。

すなわち、一国の総理が、医師一般を非難したかのような発言をした以上、医師の利益団体でもある医師会としては抗議せざるをえない。そういう世論ができてしまうと、今後、医師の利益や立場に配慮しない法律や制度ができてしまうことになりかねない。

そしてもう一つ。
最近マスコミが指摘する「産科医のたらい回し問題」などのように、医師が批判されることも多い。
今回の医師会会長の抗議は、そういう風潮に対する、「権力者やマスコミが現場の医師を不用意に批判するなら医師会が黙っていないぞ」という意思表明も含まれているのでしょう。

医師に対する批判を封ずる意図であれば、ちょっと恐ろしい思いがするのですが、同時に、医師会という利益団体の政治力に感心せざるをえません。
同時に、政界や財界と共同歩調を取ることが多い日本弁護士連合会のトップの姿勢と比べてみても、そのことを強く感じた次第です。
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