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大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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一般の相談者の中には、弁護士はスーパーマン的な特殊能力を持っていると期待している方が多い、という話を書こうとしています。
 
今週号の「週刊文春」にも記事がありましたが、最近、未公開株や社債への投資で儲かりますよと勧められ、出資したけど実は詐欺だったという事件が多いようで、うちの事務所にもよく相談があります。
 
そういう場合、出資先を訴えてお金を取り戻すことが考えられますが、計画的な詐欺のケースだと、相手が雲隠れしてしまって訴えようにも相手がどこにいるかわからないことが多い。
 
相談者の多くは、それでも弁護士に頼めば、相手の居場所をつき止めてくれて、隠し財産を見つけ出して差押えをしてくれる、と思っておられるのですが、残念ながら弁護士にはそういう特別な調査能力はありません。
 
弁護士も警察や検察と同じような捜査権限や組織力を持っている、と勘違いされている人もいますが、公務員であって国家権力を担う警察や検察と、しょせんは零細商店主に過ぎない弁護士とは、大きな力の違いがあります。
 
(全くの余談ですが、大阪地裁の横に数年前、総工費60億円の大阪弁護士会館が建ったとき、ある人に「あれは税金で建てたんですか?」と聞かれました。全く違います。大阪市福島区の検察庁の新庁舎は税金で建っていますが、弁護士会館は銀行からの借金で建てられていて、その返済は私たちが大阪弁護士会に支払う月会費から行われています)
 
今回は話があちこちに行きますが、改めてそんなことを考えていたのは、ここ最近の、民主党の小沢さんの起訴・不起訴についての報道を見たからです。
 
小沢さんの政治資金規正法違反の問題で、検察庁はいったん「不起訴」としたが、検察審査会は「起訴相当」と決議した。東京地検は改めて小沢さんを事情聴取したが、やはり「不起訴」となるようです。今後、検察審査会がもう一度「起訴相当」だと決議すると、小沢さんは「強制起訴」となる。
 
強制起訴となった場合、小沢さんを起訴し、裁判にかけるのは弁護士です。
つまり、検察庁が「この事件はとうてい起訴して有罪に持ち込めない」と言ってあきらめて投げ出した事件を、何の権力も組織も持たない弁護士が3名ほどだけ裁判所から選ばれて、検察官の代わりにその事件を起訴するわけです。
強制起訴という制度は、間違いなく弁護士の犠牲を前提として成り立っています。
 
もっとも、明石の歩道橋事故で強制起訴の検察官役に選ばれた神戸弁護士会の弁護士は、全く泣き言をいわず、自信を持って執務されているようです。
私もそれに見習って、未公開株の投資詐欺の相談が来た際には、可能な限りの調査や弁護を尽くしていきたいと思っています。
 
スーパーマンでない個々人のがんばりによって、弁護士制度が成り立っています。と、手前味噌なまとめ方をしてしまって恐縮ですが、今回はこのへんで。
 
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