移転先は、http://www.yama-nori.com/blog/ です。
ここしばらく、この忍ブログと併行して記事を更新してきましたが、最近は、参照されたり引用されたりする度合いが、上記の新ブログのほうが多いように思いますので、そろそろ完全に切り替えたいと思うようになりました。
初代・楽天ブログと、二代目・忍ブログで、それぞれ2年半程度つづけてまいりました。過去からの読者の方には、三代目となりますが、ご了承いただき、引き続きお付き合いください。
あと、この忍ブログでは、「近況」欄の息子の写真を楽しみにしてくださっている方が結構おられて、人によっては本文は読まずにそっちだけ見ているような方もおられまして、それはそれで嬉しいことでした。
もっとも、新しいブログでは、まだブログの体裁をいじって使いこなすまでには至っていないので、近況欄をどのような形で継続していくかは、今後考えたいと思います。
ひとまず、今後、このブログの更新は停止する予定です。そのまま閲覧できる状態で置いておくつもりですので、引き続き、参照、引用など、ご自由に利用いただければと思います。
ではまた、新しいブログでお会いしましょう。
最高裁で無罪判決が出た強姦事件の真相は、判決を読むかぎり、被告人の男性が、被害者とされた女性に、3万円を払う約束で「手で抜いてもらった」だけのようです。
男性が3万円を支払わずに逃走したことから、ややこしくなった。
ではこの男性、3万円を払う約束を破ったことについて、刑事責任は問われないのか。
刑法の教科書などには、売春代金を支払わなかったら犯罪になるか、ということが論じられています。本件も同じ問題であると考えてよい。
たとえば飲食店で食事したあと、「財布を忘れたから取ってきます」と言ってそのまま逃げると詐欺罪になるし、「こんなマズイ料理でこの俺からカネを取るのか!」などと凄んで食事代を踏み倒すと恐喝罪になる。
売春代金についても、同じように詐欺罪や恐喝罪になる、という考え方もありますが、一方で、売春でお金を稼ごうなどと考える女性側も間違っているから、男性側に刑罰まで与える必要はない、という考え方も有力です。
最高裁はどう言っているかというと、こういうケースについての判例はないようです。おそらく、そんな事例は滅多に刑事裁判にならないからだと思われます。
もし女性が、「やらせてあげたのに代金を払ってくれなかった」と言って警察に駆け込んだとしても、警察はまともに取り合わないでしょう。せいぜい、その男性を呼び出して注意し、女性にも「そんな商売やめなさい」と諭して終わり、となることが多いでしょう。
今回の事件も、女性が「強姦された」と被害届を出したから刑事裁判に発展したのであって、「手で抜いてあげたのに3万円払ってくれなかった」と申告していたら、ここまで大ごとにはならなかったはずです。
そういった、有罪・無罪が微妙である点に加えて、強姦の裁判で無罪判決が出ているため、「ならば詐欺罪か恐喝罪で」と改めて起訴されることもないでしょう。
「一事不再理」の原則で、いったん無罪になった事件を蒸し返すことはできないということです。
(このケースで詐欺・恐喝罪での再起訴に一事不再理が適用されるかどうかには議論の余地があると思いますが、専門的になりすぎるので省略します。刑事訴訟法を学んでいる方は、公訴事実の同一性の範囲に入るか否か、考えてみてください)
逆に、この事件を「強姦」と届け出た女性には、虚偽告訴罪(犯罪でないものを犯罪と申告すると罪になる)が成立しないのか、ということも問題となると思います。
理論上は、そうなると言えそうです。
もっとも、今回の被告人男性が虚偽告訴罪で女性を逆に告訴したとしても、元はと言えば手で抜いてもらおうなどとしたのが間違いじゃないか、身から出た錆じゃないか、ということで、警察官に諭されて終わりなのではないかな、と思います。
つまらない事件が偉大な法原則を生む、と何かの教科書で読んだ記憶がありますが、今回も、つまらない事件が注目すべき最高裁判決を生んだ、そんな事件だったという感想です。
終わり。
痴漢事件では最近、無罪判決が増えつつあり、強姦事件でも今回、最高裁で無罪判決が出ました。これまで、無実なのに見過ごされて有罪とされた事件も、おそらく皆無ではないでしょう。
この手の事件で冤罪が生じやすい理由は、客観的な証拠が乏しいことや、目撃者が少ないために被害者の証言が決め手になってしまう点にあります。
被害者は、自分が刑事裁判に巻き込まれ、法廷で証言するのも恥ずかしいことであるのに、あえてウソの被害申告をするはずもない、だから被害者の証言は信用してよい。一方、容疑者や被告人は、自分が有利になるよう弁解するのが常であるから、その証言は疑ってかかる必要がある。これが従来の傾向だったと思います。
前回書いたとおり、大多数のケースでは、その考え方でよいのです。ただ、その一般論が妥当しないケースも少数ながら存在する。
記憶に新しいところでは、2年前、大阪の地下鉄の車内で、女性が乗り合わせた男性客を痴漢として訴え、その男性客が一時、身柄拘束されるという事件がありました。女性は示談金をあてにしてその男性をゆするつもりだったのです。
これは、背後にその女性の友人の男子大学生(後に虚偽告訴罪で実刑)がいて、計画的に行なわれたという、かなり特異なケースであったといえます。
しかし、被害者の証言には時としてウソが混じること、そして、真実であれウソであれ、女性の「このひと痴漢です」の一言で男性は簡単に逮捕されてしまうことを、この事件は明らかにしました。この事件ではたまたま早い段階で真実が露呈したとはいえ、たいていのケースでは長い身柄拘束となり、痴漢と言われた男性は社会的に抹殺されてしまう。
ですから、被害者の証言を重視することは当然であるとしても、それを偏重することはあってはならない。それは刑事訴訟法の教科書にも出てくるような基本的なことなのですが、これまでは軽んじられてきたのです。
今回の無罪判決が出た事件に話を戻しますが、前回書いたとおり、被告人の男性が当初から言っていたのは、「3万円払うからと言って手で抜いてもらった」ということです。しかし男性は3万円を払わず逃走した。
最高裁の判決には明確には触れられていませんが、判事の頭の中には「3万円を払ってくれなかった腹いせで強姦と訴えたのかも知れない」ということがあったでしょう。
そういう点でも、被害者の証言はよくよく吟味される必要があった。今回の最高裁のスタンスは妥当であったと思います。
さて、ではこの被告人、強姦ではないとしても、3万円を払わなかったことについては何の責めも負わなくてよいのか。その点は次回に検討します。
強姦の容疑で、1審・2審で有罪にされていた被告人に対し、最高裁は逆転無罪判決を下しました(7月25日)。
最高裁というところは、憲法や法律の解釈について審理するところであって、事実そのもの(強姦したか否か)について立ち入って検討することは基本的にはないので、ここまで踏み込んだ判断をすることは異例です。
と、ここまで書いて、以前にも同じような話を書いたなと思いだしたのですが、2年前、強制わいせつ事件で被告人が最高裁で逆転無罪になった判決に触れていました。
以前に書いたのと重複する話は省略するとして、今回の事件の内容を紹介します。
なお、今回の最高裁判決は、最高裁のホームページから見ることができます。
それによりますと、事件は少し理解しがたいものでした。
1審・2審は女性の供述に従って、被告人を有罪とした。
被告人の弁解はこのようなものです。
書くのをはばかりますが、たぶん…「3万円あげるから手で抜いて」とでも声をかけたのでしょう。ちなみにこの男性は、ビルの階段の踊り場で抜いてもらったあと、3万円を払わずに逃走しています。
この男性のやっていることもどうかと思いますが、それが事実とすれば、同意の上で手で射精させてもらったというだけであって、強姦にはなりえない。
この事件で証拠となるものと言えば女性の供述だけでした。
しかし被告人側が「濡れ衣だ」「被害者がウソをついているんだ」と反論しても、「被害者は被告人と利害関係もないし、別に恨みを持っていたわけでもないから、わざわざウソをつく理由がない」として、反論がたやすく排斥される傾向がありました。
最近は、被害者の供述を偏重しすぎることなく、被告人の供述と比べて、どちらがより信用できるかということが吟味されつつあるようで、裁判のあり方としては、当然、こちらのほうがより望ましいと思います。
この件、次回にもう少し続く。
光市母子殺害事件の弁護団と、橋下知事の裁判は、最高裁で橋下氏が逆転勝訴となりました。
元々の刑事事件が、犯行当時未成年だった被告人が母と子を殺害したという陰惨な案件で、その被告人を弁護した弁護団が世論の反感を買っていて、大阪府知事になる前のタレント弁護士だったころの橋下氏がテレビを通じて懲戒を呼びかけたという、特殊な背景事情があって注目された事件です。
ただ、橋下氏の勝訴判決の意味するところは「橋下氏のやったことが正しく、弁護団のしていることは誤っている」と最高裁が判断したというわけでは、もちろんありません。
この民事裁判で争われたのは「橋下氏が弁護団の弁護士らに賠償金を払う義務があるかないか」ということであって、これについての最高裁の結論は「橋下氏は弁護団に迷惑をかけたかも知れないけど、それは弁護士としてガマンしてやるべき範囲であった」ということです。
弁護士の仕事は、紛争時に当事者の一方に味方することであるから、当然、反対側の当事者からは恨みを買う。社会的に耳目を集める事件であれば、世論の批判も買う。もともとそういう仕事なんだからガマンしなさい、と言われれば確かにそうです。
だからこの最高裁判決に対する私の感想は、まあそんなものかな、という程度です。
やや話が変わりますが、私が興味深く思ったのは、1審で橋下氏が敗訴して800万円の賠償を命じられたときに、さっさと弁護団の弁護士らに800万円払ったということです。
まだ高裁、最高裁と争えるのに、早々と払ってしまった理由として大きいのは「利息」でしょう。
判決で支払いを命じられているのに支払わないと、利息がつきます。しかも利率は民法上、年5%とされています。今のご時世、郵貯の定額貯金でもつかないほどの高利息です。
最高裁まで長々と争ってその上で敗訴すると、利息分も払わないといけない。
この事案では、1審の判決から最高裁判決まで、2年半くらいかかっているから、もし1審の判決がひっくりかえらなかった場合、800万円×5%×2.5年で、100万円くらい余計に払わないといけなかった。
もちろん、800万円を受け取った弁護団側も、別にお金が欲しくて裁判をしたわけではないだろうから、お金は手つかずのまま置いておき、最高裁判決を受けて、橋下氏に返金したでしょう。
裁判で負けても開き直ってお金を払わない、という人が非常に多い昨今、負けたらさっさと払う、逆転されたら返す、というやり取りは、大変フェアであると思えます。橋下氏と弁護団の思想的な対立は激しいものと思われますが、そのあたりはさすがに弁護士同士ということなのでしょう。
ということで、最高裁判決の原文にも当たらないままに雑多な感想を書いてしまいましたが、とりあえず以上です。
おおよその経緯は皆さんご存じだと思いますが、平成19年、知事になる前の橋下弁護士が、テレビで、光市母子殺害事件の被告人の弁護団に対する懲戒請求を呼びかけ、弁護士会に懲戒請求が殺到した。その弁護団の弁護士が橋下氏を訴えたという事件です。
平成20年10月、1審・広島地裁は、弁護団に対する名誉毀損と、不法行為の成立を認めた。前者は、弁護団への誹謗中傷により、各弁護士の名誉をおとしめたということで、後者は、懲戒請求への対処などにより業務に支障が生じた、ということです。
私は、この判決が出た直後、旧ブログにて、名誉毀損の成立は少し疑問に思う、と書きました(こちら)。
憲法は弁護士に被告人の弁護をするよう定めており、それに沿って堂々弁護活動すればよく、その弁護士の名誉が橋下氏の発言で傷つくわけでもなかろう、ということです。もちろん、そうした弁護活動の必要性を理解しない人も多くいますが、それは元々そうなのであって、橋下氏の発言で新たに名誉が毀損されるわけではない、と思いました。
2審の広島高裁は、私の見解に従って(というわけではないでしょうが)、名誉毀損の成立は否定し、不法行為のみを認めました。
そして7月15日の最高裁判決は、不法行為の成立も否定し、弁護団側の請求をすべて棄却して、橋下氏の全面勝訴となった。
新聞等を読む限り、理由はいろいろ書かれています。
橋下氏の発言は不適切であるが、弁護士に対する懲戒請求という制度がある以上、その利用は広く認められるべきで、各弁護士がそれに対応すべきことも当然である。弁護活動は重要だが、弁護士はそれに理解を得るよう努力することも求められている。等々。
ただ、これらの理由はあくまで「傍論」であり、直接的な理由は、「弁護士業務に重大な支障は生じていない」ということのようです。
懲戒請求をされた弁護団の各弁護士は、それに対する答弁書を弁護士会に提出するなど、それなりの対応を求められたはずですが、実際にどれくらいの負担が生じたのかは、記事にも出てないので、よくわかりません。ただ最高裁は「受忍限度」(ガマンしてやるべき限度)の範囲内だった、と言っています。
次回にもう少し続く。
以前ここでも告知したことがあったかと思いますが、ホームページを新しくしましたので、よろしければご覧ください。
http://www.yama-nori.com/
私の動画も見れます(別に面白くありませんが)。
事務所スタッフによるブログも随時更新中ですので、アクセスしてみてください。
なお、当事務所のファンの方は(そんなのいないか)、これまで、このブログとか事務所のホームページとか、たくさん乱立して混乱されたかも知れませんが、今後、当事務所からの情報発信は上記のトップページを「ポータルサイト」的なものとさせていただき、今後の情報更新はこれに集約していこうと思っております。
トップページから、私のブログにもアクセスできます。http://www.yama-nori.com/blog/
内容(本文)は現在、この忍ブログと同じですが、↑こちらのほうが使い勝手が良さそうなので、いずれこちらのほうに完全に移行しようと思っております。
今後ともよろしくお願いします。
たしかに、この人が被災者支援のための部局を自ら「チーム・ドラゴン」と呼んだのは極めておこがましいと思います。70年・80年代に少年の時期を過ごした者にとって、「ドラゴン」と名乗ることを許せるのは、ブルース・リーと倉田保昭だけです。
また、民主党政権の目玉として作った「国家戦略局」という部局も、平時ですら全く機能しなかったのに、今またなぜ「復興担当大臣」というポストをわざわざ作るのか(これは民主党政権が国交省など既存の役所とポストを使いこなせないことを意味する)、といった批判もあてはまるでしょう。
最近は節電のためもあってあまりテレビを見ません。見たい番組といえば、CSで再放送中の「秘密戦隊ゴレンジャー」と「スーパーロボット マッハバロン」だけで、今のテレビがいかに面白くないかは、この稿の本題ではないのでさておきますが、さきほど、しばらくぶりにテレビのニュースを見ました。
松本大臣が、東北地方のある知事に、「知恵を出さないところは助けない」といったことは、(政府がそれ以上の知恵を出すという条件つきなら)まだ容認する余地があるとして、別の知事には、数分遅れてきたことをあげつらって「自分(知事)が入ってから呼べ」と、数分待たせたことを叱責したという映像を見て、批判されているのはこれらのことかと知りました。
私が思い出したのは、これまた私ごとながら、うちの先祖のことです。
史実かどうかは知りませんが、司馬遼太郎の「功名が辻」によると、山内一豊の妻の千代(大河ドラマでは仲間由紀恵が演じた)は、太閤・秀吉の側室である淀殿から大阪城に来るよう呼び出されましたが、淀殿を待っているうちにトイレに行きたくなり、行って戻ってくると、淀殿がすでに面会の間に現れて、千代を待っていた。
後から、淀殿の女官が、淀殿を待たせたことで千代を叱責すると、千代は女官に「鬼婆あ」と言い放って帰ったそうです。
淀殿とその取り巻きの高圧的な態度が、その後の関ヶ原の戦いや大阪の陣で豊臣家を滅ぼすきっかけを作ったとも言われるように、それになぞらえると、松本大臣が菅政権を滅ぼすかも知れません。
しかも、松本大臣が、この件についての釈明を求められて、「九州の人間じゃけん、語気が荒いこともあって…」と、ことさらに九州弁を使って弁明したのは、九州の方に対する侮辱にあたるでしょう。
たとえば松本大臣が大阪出身であったとして、「わて大阪の人間でっさかいにギャグで言うたんでんがな、堪忍したっとくんなはれ」と言ったとしたら、誰も許す気にならないでしょうし、何より大阪の人間が怒るでしょう。
このような人に、国難とも言うべき東日本大震災の復興を委ねるとは、やはり菅内閣と民主党政権は早晩滅びる、と言うより、すでに滅びているのでしょう。
ということで、久々にテレビでイヤなものを見せられたので雑多な感想を書き連ねてしまいました。このあとCSで「スーパーロボット マッハバロン」を見て寝ます。