大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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ダルビッシュとサエコに学ぶ連続離婚講座(勝手にシリーズ化)、第3回です。
第3回は養育費の話にするつもりが、いま移動中の新幹線の中でこれを書いており、手元に資料がないと養育費の具体的な話が書きにくいので、今回は親権の話にします。
「おは朝」情報によりますと、ダルビッシュもサエコも2人の子供の親権を取りたがっており、ただダルビッシュは「養育権」はサエコにあげてもよい、と言っているそうです。
これは「監護権」のことを指していると思われるので以後この用語を使いますが、民法上、親が未成年の子に対して持つ権利には「親権」と「監護権」があり、離婚のとき、その2つが別々の親に行くケースもありえます。これが何を意味するかを書きます。
平たくいうと、親権者は法的な監督を行なう人、監護権者は一緒に住んであげる人だと考えてください。法的な監督とは何かというと、子供の財産を管理したり、子供が商売をやろうとするとき許可を与えたりする権限などがあります。
しかし、ダルビッシュの子供は幼くて多額の財産を持っているとも思われず、財産管理権はあまり意味がない。むしろ養育費をサエコに払えば、そのお金はサエコが管理することになります。また、いまどき未成年で自ら事業をたちあげて商売をする人も滅多にいないでしょうから、その許可をする権限もまず問題にならない。
そもそも現代においては、親権と監護権を分けておく意味はあまりなく、これは戦前の旧民法の遺物であると言われています(内田貴「民法4」など)。
つまり、戦前の家制度では、子供の親権は父親が持つのが当然で、ただ離婚の際に子供がまだ乳飲み子のようなときは、母に預けておくほうが良いからということで、親権とは別に、母親の監護権という概念ができた。
男女平等を建前とする今の民法では、親権者を母親とすることは何ら問題ないので、父でも母でも、子供を引き取る方が親権者かつ監護権者になればよいのです。
しかし現在でも、親権をどちらが取るかでモメたときに、妥協策として、父は親権、母は監護権(その逆もありえますが)を取る、という形で協議離婚するケースもあります。私もそういう相談を受けたことがあるし、ダルビッシュ・サエコ間でもそんな話があるらしい(あくまでテレビ報道ですが)。
しかし、ここは私個人の感想ですが、現代の家族制度において、監護権は取らないけど親権だけ取るというのは、せいぜい精神的な意味しかなく、それは本来、親であることから来る様々な子育ての苦労を免れた上で、口先だけ「俺が親権者だ」と言っているような印象しか持ちえません。だから私が相談されたときも「そんなやり方は実際には無意味だし、ややこしいだけだから、お勧めしません」とお答えしています。
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