大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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「因果関係」に関して2つの事件に触れます。
阪神ファンの男性が、甲子園で観戦中にメガホンで女性を叩き、後遺症が残ったとして1850万円の賠償を求められた裁判があり、大阪地裁は男性に24万円の賠償を命じたとか(11日)。
女性が主張する「目まいや耳鳴りが今も続いている」との点は、メガホンで叩かれたこととの「因果関係」が認められないとして、せいぜいケガの治療費程度の賠償に留まりました。
当ブログでも何度か取り上げたと思いますが、ある結果(目まいや耳鳴り)についての賠償を求めようと思ったら、その結果が、原因となった事件(メガホンでの殴打)のせいで起こったということを証明する必要があります。これを「因果関係」と言います。
原因と結果の因果関係はどういう場合に認められるかについてはいろいろ議論がありますが、ひとまず、「そんなことをしたら、当然そういう結果が発生するだろう」と言える必要がある、とでもご理解ください。
さて、今回の本題は、のりピーが声優をしていたアニメを製作していた業者が、のりピーの覚せい剤事件のためにアニメを上映できなくなったとして、2100万円の賠償を求めて東京地裁に提訴したという件です。
この件でも、因果関係が一つの争点になると思います。
製作会社が主張する2100万円の損害は、制作費や、上映により見込まれた収益でしょう。「アニメが上映できないせいで、それだけの損害が生じた」というのが「結果」です。その「原因」は「のりピーが覚せい剤事件で有罪となったこと」だというのが、原告の主張です。
さて皆様は、ここで原因と結果に因果関係があるとお感じになるでしょうか。
俳優やタレントが不祥事を起こせば、当然、その人が出ていた作品はお蔵入りにならざるをえない、だから因果関係はある、という考え方もあるでしょう。
しかし考えてみれば、この原因(不祥事)と結果(お蔵入り)は、必然的に結びつくものではない。出演者が問題を起こしても、作品自体に罪はないのに、なぜ見れなくなるのかと、釈然としない思いをするのは私だけではないように思います。
製作会社が勝手に「自主規制」しただけであって、のりピーの事件とアニメのお蔵入りは当然そうなる関係とはいえない。気にせず「のりピー最後の肉声!」とかいう宣伝文句で売り出していればきっとヒットしたし、損害も発生していなかった。だから因果関係はない、という判断も充分ありうるのではないかと思います。
この件についてもう少し続く予定。
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