大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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力士の賭博問題の続きを少々。
昨日、多数の力士が揃って記者会見で頭を下げるという、暑苦しい映像を見ました。
端っこのほうで頭をさげてる力士には、羽織袴でなく浴衣を着ている人もいて、これはパジャマで記者会見に臨んでいるのと同じじゃないか、いいのか? とも思いました。
冗談はさておき、ある新聞の世論調査では、来週に迫った名古屋場所を開催すべきでないとの意見は48%で、開催すべきだとの意見(41%)を超えた、とありました(本日の読売朝刊)。
この48%の人たちは、何に憤って、場所開催をやめよとまで言っているのか、私には正直なところ、理解しにくい部分もあります。
「賭博は犯罪行為であり、それをやったのが悪い」というのであれば、それは今後、刑事裁判で裁かれるべきことです。まだ各力士の言い分だってきちんと聞けていないし、それに、全く関係のない力士も含めて場所自体を中止せよというのは、とうてい法治国家で採りうべき考え方ではない。
だから、彼らが憤るのは、賭博自体よりも、暴力団とのつながりなのでしょう。
こういう話を聞くたびに、私が思い出す話があります。
私が弁護士になって間もないころ、大阪ミナミのバーで飲みながら、マスターと若い女性客の会話を聞いていました。どういう文脈だったかは忘れましたが、マスターは女性客に「医者と弁護士は友達に持っておいたほうがいいですよ」といったことを話しました(彼らは私が弁護士であると知らないので、何気ない会話だったのでしょう)。
その女性客は即座にこう答えました。「うん、あとそれから、ヤクザもね」と。
私は少しガッカリしました。世の中、何かあったら弁護士じゃなくて、ヤクザを頼ろうとする人が、まだまだいるのだなと。
その後も、似たような話はたくさんありました。
相談客に対して、この問題は法的にはどうしようもない、といった回答をすると、
「じゃ、○○組に頼むしかありませんなあ」と、平然と暴力団の名前を出す人も多く見ました。
国選弁護などでヤクザや元ヤクザの刑事事件を担当することもありますが、ありがちな話として、ヤクザが借金の取り立てに行き、恐喝罪で逮捕されるという事件をいくつか経験しました。その取り立てを依頼したのは、日ごろは普通に生活している一般市民です。
多くの人たちは、ヤクザや暴力団を嫌悪し忌避し、もし他人がそれに関わったりしようものなら轟々たる非難をします。しかし一方で、機会があったらそういった人たちとお近づきになって、一難あれば頼りにしたいと思っている人も、また多いはずなのです。
そのことの良し悪しは別にして、それが現実であって、だから暴力団の存在がなくならないのです。
果たして場所開催をやめよと答えた48%の人々の全てが、本当の意味で暴力団と全く縁のない生活をしているか、私自身は疑問に思っています。
少し前のブログで、厳しい処分で自浄努力を果たしてほしいと書きましたが、いまの状況は、あまりに世論なるものに過敏すぎて、性急で厳しすぎないかというのが、個人的な感想です。
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