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大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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少し前に触れましたが、力士の野球賭博がより大きな問題になりました。
日本相撲協会の調査委員会は、多くの力士や親方に対し、解雇や謹慎を命じるよう、相撲協会へ勧告したようです。
 
さて、今回の賭博問題に対する処分、皆様はこれで充分だと思われたでしょうか。
私自身は先日このブログでも、厳しい処分がなされるべきだと書きましたが、今回の処分、これで充分ではないかと思っています。
 
区別して論じる必要があると思いますが、ここには、「刑法などに触れることをしたので、裁判を受けて処罰されるべきか」ということと、「相撲協会の内部において懲戒処分がなされるべきか」という、2つの問題があります。
 
まず前者については、琴光喜は賭博罪で事情聴取などを受けているようですが、裁判になるかどうかはこれから検察が決めることになります。そして、賭博は確かに犯罪とはいえ、「不起訴」処分も充分あってよいと思います。
 
スマップの草なぎクンが公園で裸になった行為は、公然わいせつという犯罪ですが(しかも刑罰は単純賭博罪より重い)、それでも不起訴になりました。
琴光喜が起訴されると「公然と裸になってもハンサムなら許されて、隠れて賭博をやっているだけでもデブなら罰を受けるのか」ということになり、検察の処分としては不均衡といえます。
 
ただ、賭博が社会的に非難されるのは、それが暴力団などの資金源になるからだ、ということがよく指摘されます。しかしそれは、組織犯罪処罰法など、別の法律の問題です。
もし警察や検察がそちらを問題としようと思うなら、力士らが暴力団とつるんで賭博をしていたという証拠を挙げる必要があるが、おそらくそこまでの捜査はできていないでしょうから、暴力団の背景うんぬんは過大評価されるべきではない。
 
この点については、「いや、どの法律にあたるとか、その証拠があるとかの問題ではない。力士が暴力団とつながりがあると疑いを持たれること自体が問題なのだ」と、多くの人は感じているでしょう。それはまさにそのとおりです。
 
それでも、疑いがあるというだけで、刑事罰を科することはできません。
ですから、あとは上記の2つめの問題となり、相撲協会内部での懲戒処分が適切になされるべきだということになります。
 
内部の懲戒処分として記憶に新しいのは朝青龍で、一般人に対する暴行・傷害という重大犯罪を行なってなお、処分は「引退勧告」でした。それとの均衡でいけば、賭博行為くらいであれば、出場停止くらいの謹慎処分で充分であるように思います。

草なぎクンや朝青龍への処分自体が軽すぎたのだと考える方もおられるでしょうけど、現にそういう先例がある以上は、それとのバランスが取れていない限り、不公平という問題が生じます。
 
そういうことで、これ以上に厳しい処分をせよとは、私は思わないし、義憤にかられたか何か知りませんけど相撲部屋の「のぼり」が切り裂かれたという事件も理解できません。
余力があれば次回にもう少し続きます
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