大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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当事務所のすぐ近くで、先週末、23歳の母親に置き去りにされた1歳と3歳の子の死体が発見されるというニュースがありました。下の男の子はうちの息子と生まれた時期が近いだけに、非常に痛ましい事件であると痛感します。
児童相談所や警察が動くことで事前に防げなかったか、といった指摘が新聞などでもされています。そのあたりは、今後しっかり検証してもらって、対応に問題があったのなら改善してほしいと思います。
ただ、一般論として「これからはもっと行政や警察が積極的に動いて事件を防ぐべきだ」と単純に考えるのも問題だと思います。
いつもながら、私の狭い経験からモノを言ってしまいますが、去年、うちに息子が産まれたあと、地元の区役所から、定期健診などの案内がありました。しかし役所というのは総じて待ち時間が長いので、基本的には、妻がお産をした産科に行きます。
たぶん、世の母親の大半は、そのように自分の行き慣れた病院で相談を受けているのでしょう。
地理的事情や経済的事情などから病院を利用できない人は、役所に相談することになる。
しかし、少数ながら、病院も役所も利用しない人がいる。その場合は、役所の児童相談員などが積極的に動いて、家庭訪問をしたりして、相談に乗るなどする。
その中の、さらにごく少数と思うのですが、役所が動いても応じないとか、連絡が取れない人も、中にはいる。この、役所に対し協力的でない親のところに、今回のような事件が生じます。問題は、そういうケースにおいて、役所や警察に訪問させるとか、強制的な立入り権限を与えるのが良いのかどうかということです。
事件が起こった後に、対応が遅すぎたというのはたやすい。しかし、事件を未然に防ぐのは困難だし、無理にそれをさせようとして権限を強化すると、間違いなく別の問題が起こります。
たとえば、うちにも、息子の出生直後、児童相談員が家庭訪問に来ました。お願いすれば定期的に来てくれるらしいのですが、うちでは何かあれば病院に行くので、訪問を受けたのは1回きりです。
役所にとっては、うちが子供をほったらかしにしているか、どこかで診察を受けさせているかは、事前にわかるわけではない。だから児童相談員が「ここの家は一度しか訪問していない。虐待があるかも知れない」などと、何度も来たりすれば、うちとしては間違いなく、極めてわずらわしい。
うちでも息子が0歳のころは、妻がようやく寝かしつけてホッとしたところに、心ない新聞の販売員などがチャイムを鳴らして、子供が起きて泣く、なんてことも度々でした。
児童相談員が何度も訪問してくることになれば、そのたびに子供がびっくりして泣き出し、逆に育児ノイローゼを強める母親だって出てくるでしょう。
今回の南堀江の事件は、悲惨ではありますが異常な事件です。異常な事件は事後的に刑罰で取り締まることにして、行政は事前には介入しないというのが自由主義社会の考え方の基本です。
冒頭に書いたとおり、問題点は充分検証し、再発を防いでほしいですが、この種の事件に限らず、大多数の真面目に生きている人たちにとっては、役所の権限を強めるのは何もいいことがないと思っています。
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無題
この記事を見て初めて気づいたんですけど、
確かに制限を強化すると他の問題が起きそうですね。
子供に対する問題が数年前から急に増えてきていつも思っていたのが、
子作り、出産、育児をするのに、資格が必要なようにすれば良いと。
他の問題が起きるかもしれないと思うと、そうでもないと思ってきました。
子供と、その他の問題を比べてどちらが大事か、になりますね。
確かに制限を強化すると他の問題が起きそうですね。
子供に対する問題が数年前から急に増えてきていつも思っていたのが、
子作り、出産、育児をするのに、資格が必要なようにすれば良いと。
他の問題が起きるかもしれないと思うと、そうでもないと思ってきました。
子供と、その他の問題を比べてどちらが大事か、になりますね。
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