大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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ヤメ検は刑事裁判に強い、という話を書きました。
ただそれでも、刑事裁判の中のある重要な一部分においては、通常の弁護士にかなわない部分があると思っています。
少し話が変わりますが、故・胡桃沢耕史の著作に「熱血イソ弁」という、新人弁護士が主人公の小説がありまして(文藝春秋刊)そこにヤメ検に関するこういう描写があります。
「もとが検察官だけあって、弁護士になったすぐには、強圧的な物言いが直らず、あたかも元刑事が退職後、駐車場の誘導員をやって、つい客をどなりつけるような現象が、法律事務所内で、依頼人との間に起こってしまう」
ヤメ検が依頼者をどなりつけた場面を実際に見たわけでもありませんが、おそらく、この描写はだいたい合っているでしょう。
検事の肩書きは絶大な威力を有します。「どこそこ地検の誰々ですが、ちょっと事情を聞きたいので来てくれませんか」と一本電話するだけで、所轄の警察官や、事件の関係者たちが飛んできます(これは私自身、司法修習で大阪地検にいたときに実感しました)。
検事にとっては目の前の人は「取調べ」の対象です(弁護士にとって依頼者は基本的に「お客様」であるのとは大きく違います)。
何年、何十年も検事という仕事をしていれば、どうしても「上から目線」になってしまうのは避けられないと思えます。
そういうヤメ検が、刑事裁判で弁護人の立場にたったとしたら、被害者と示談しないといけないような状況に立つこともある。そんなとき「強圧的な物言い」が直らなければ、示談は到底まとまらないでしょう。
検事時代は加害者を追及する立場として、被害者の被害感情を代弁する立場だったのが、今度は加害者を弁護するために、被害者に頭を下げないといけないわけです。
示談交渉も被害救済のため重要な仕事ですが、私たち通常の弁護士にとっても、やはりあまり気乗りしないことで、ヤメ検ならなおのことではないかと思います。
ということで、ヤメ検は、有罪無罪を争うような事件であれば、検事時代の経験を活かして、ポイントを突いた弁護をすることができるでしょう。
しかし、やった事実に争いはなくて、あとは被害者に対する示談をまとめて情状酌量を求めるだけという事件であれば、通常の弁護士のほうがうまく進められるように思います。そして実際には刑事裁判の多くはそういう事件なのです。
ただそれでも、刑事裁判の中のある重要な一部分においては、通常の弁護士にかなわない部分があると思っています。
少し話が変わりますが、故・胡桃沢耕史の著作に「熱血イソ弁」という、新人弁護士が主人公の小説がありまして(文藝春秋刊)そこにヤメ検に関するこういう描写があります。
「もとが検察官だけあって、弁護士になったすぐには、強圧的な物言いが直らず、あたかも元刑事が退職後、駐車場の誘導員をやって、つい客をどなりつけるような現象が、法律事務所内で、依頼人との間に起こってしまう」
ヤメ検が依頼者をどなりつけた場面を実際に見たわけでもありませんが、おそらく、この描写はだいたい合っているでしょう。
検事の肩書きは絶大な威力を有します。「どこそこ地検の誰々ですが、ちょっと事情を聞きたいので来てくれませんか」と一本電話するだけで、所轄の警察官や、事件の関係者たちが飛んできます(これは私自身、司法修習で大阪地検にいたときに実感しました)。
検事にとっては目の前の人は「取調べ」の対象です(弁護士にとって依頼者は基本的に「お客様」であるのとは大きく違います)。
何年、何十年も検事という仕事をしていれば、どうしても「上から目線」になってしまうのは避けられないと思えます。
そういうヤメ検が、刑事裁判で弁護人の立場にたったとしたら、被害者と示談しないといけないような状況に立つこともある。そんなとき「強圧的な物言い」が直らなければ、示談は到底まとまらないでしょう。
検事時代は加害者を追及する立場として、被害者の被害感情を代弁する立場だったのが、今度は加害者を弁護するために、被害者に頭を下げないといけないわけです。
示談交渉も被害救済のため重要な仕事ですが、私たち通常の弁護士にとっても、やはりあまり気乗りしないことで、ヤメ検ならなおのことではないかと思います。
ということで、ヤメ検は、有罪無罪を争うような事件であれば、検事時代の経験を活かして、ポイントを突いた弁護をすることができるでしょう。
しかし、やった事実に争いはなくて、あとは被害者に対する示談をまとめて情状酌量を求めるだけという事件であれば、通常の弁護士のほうがうまく進められるように思います。そして実際には刑事裁判の多くはそういう事件なのです。
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