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大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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「ヤメ検」について、続き。
元検事の弁護士である「ヤメ検」は、刑事弁護をやらせると強いのかどうかについて、書きます。

さっそく結論ですが、平均的な弁護士と比べると、当然強いと思います。
刑事裁判の場数を断然多く踏んでいるし、検察内部で刑事裁判に関わる経験もしている。
だから、裁判の際に検察側はどんな主張をしてくるかが読めて、弁護方針も立てやすいでしょうし、量刑の重さがどれくらいになるかという見通しも立てやすい。

ただ、ヤメ検に刑事弁護を依頼する人たちは、そういう当たり前のことではなくて、もっと別のことを期待しているはずです。つまり、検察内部に顔が利くから、「口利き」をして有利に取りはからってもらえるのではないか、起訴されるような事件でも不起訴で済ませてくれるのではないかという期待です。

果たして、ヤメ検は検察庁に「口利き」ができるのか。
これはヤメ検に聞いたことがないので想像するしかないのですが、私は、そんなことはありえない、と思っています。

たとえば、私たち弁護士の世界で言うと、民事裁判で相手側の代理人に大物弁護士がつくことがあります。大阪弁護士会の元会長や、弁護士会内の会派(派閥)の大先輩が「敵」側についたことは、私自身、何度も経験しています。

そういうときに、相手が大物や先輩だからといって、こちらが手心を加えることはありえません。そんなことをすれば依頼者に対する背信行為になります。
もちろん、相手の大物のほうから、口利きされたり圧力をかけられたようなことも、一切ありません。

私たち弁護士は、法律、論理、証拠といったものを武器に勝負するのであって、口利きや政治的圧力で物事が決まることを嫌う人が多いです。もともとそういうのが嫌いな人が、司法試験を受けているのです。
前回書いたように、検事も、途中までは弁護士と同じような道を歩んできているので、そこは同じはずです。

検事が「部外者」であるヤメ検のために手心を加えることはないだろうし、ヤメ検から口利きをするようなことも、きっと恥と感じてやらないでしょう。

で、ヤメ検は刑事裁判には強いが、世間が期待するような口利きはしないであろうというのが私の結論です。

あともう少し続く。
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