忍者ブログ
大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
[105]  [104]  [103]  [102]  [101]  [100]  [99]  [98]  [97]  [96]  [95
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

前回、矢田亜希子は押尾学とどうやってあんなに早く離婚できたのか、ということを書いたところ、当ブログへのコメントやその他の各方面から、ご教示をたまわりました。

押尾学が、離婚届にサインして矢田亜希子に渡しておいて、あとは矢田亜希子が自分のサインをして役所に提出すればよいという状態にしてあったとのことです。
たしかに、あの短時間で離婚するには、その方法しかないだろうとは想像しておりました。たしか、陣内智則も藤原紀香に同じようなことをしていたのでしたっけ。

こういう形での離婚も、もちろん有効です。お互いの離婚意思と、離婚届へのサインさえあれば、協議離婚として成立する。

では、一時的な感情で離婚届にサインしてしまったが、その後冷静に考えてみて、やっぱり離婚したくないという気持ちになったら、どうすればよいか。
また、一時的に燃えあがって婚姻届にサインしてしまったが、やはり結婚したくないという場合にも、同じ問題が発生します。離婚届や婚姻届を返してもらえない場合はどうすべきか。

この場合は、役所に申し出ればよい。比較的よく知られた話だと思いますが、こういう場合のために「不受理申出制度」というものがあり、市役所の戸籍係に「あの離婚届(婚姻届も同じ)は私の意思に基づかないものなので受理しないでください」と言っておけば、最長で半年間は、その届が提出されても受理されなくなる。

この制度は、法律には定められてはいなくて、昭和20年代の法務省の「通達」(役所内部のお達し)によって、そういう扱いをすることになっている(内田貴「民法4」など参照)。

通常、契約書にサインしたりすると、その契約を一方的に破棄することはできないのですが、婚姻や離婚という、重大な身分上の事柄に関しては、一方がその意思を失った以上、強制的に結婚させたり離婚させたりすべきでない。

これは教科書などで「身分行為意思の浮動性」などと表現されます。
つまり、通常の契約は守られるべきだけど、身分に関する契約(婚姻や離婚も一つの契約です)は、どうしても最後の最後まで迷うもので、一方が意思を翻したのなら無かったことにしても仕方がない、ということです。

ただ、婚姻届の場合は、婚約破棄の慰謝料の問題が発生します。
離婚届だって、あまりに安易にサインすると、婚姻関係は実際には破綻しているものとして、将来的に相手から裁判離婚を求められた場合に不利になると思います。

ちなみに私自身は、妻とはかなりのスピード結婚だったので、結婚に関して「最後の最後まで迷う」というヒマもなかったのですが、「身分行為意思の浮動性」、皆さま方の実感はいかがでしょう。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
お知らせ
一時的に戻ってきました。 左上に「裏入口」という小窓が出てくるかも知れませんが、当ブログとは関係ありません。おそらくアダルトサイトへの入口なので、クリックしないでください。
現在の来訪者数
ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ [PR]