大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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弁護士の仕事の一つとして、市役所や弁護士会での相談窓口で相談を受け付ける、というものがあります。私も年に何回かその相談当番の日があります。
最近、相談窓口にいて実感するのは、「過払い」の返還請求の相談が増えたということです。サラ金業者に多く返し過ぎた利息を取り返すという、最近テレビや新聞でよく広告を見かける、あれです。
一昔前は、「過払い」なんて私たちの世界だけの業界用語でした。一昔前なら、借金の負担を抱えた相談者がやってきたら、
「返しすぎた利息は、取り戻せることがあるんですよぉ~」「ええっ、本当ですかぁ?」「はいっ、本当ですっ」
などと、テレビのCMみたいな会話が繰り広げられていました(まあ、答えているこちらはオペレーターのきれいなお姉さんではなくて、オッサンの弁護士ですけど)。
今では、相談者のほうから「『過払い』の件なんですけど」と普通に持ちかけてくることが多いです。
このように、過払い金の返還請求が非常に増えた結果、中小のサラ金業者はどんどん潰れており、大手でも危ういところもあるようです。
実際、2、3年ほど前なら、弁護士がサラ金業者に過払い金の返還請求をすると、法律で決まっている以上は素直に返してくることが多かったのですが、最近は、金額を大幅に値切ってきたり、支払いを数か月先にしてくれと言ってきたりするのがほとんどです。
対応が遅いため裁判を起こして請求することもザラにあります。
一部の弁護士や司法書士が派手に宣伝してくれたおかげで、宣伝していないウチの事務所にも依頼者が来てくれる、という話を以前も書きましたが、全国的にあまりにそういう依頼が増えすぎて、解決までに手間と時間がかかる事態になっているようです。
さらにサラ金業者が倒産してしまえば、過払い金の回収もほとんど不可能になるでしょう。
庭に飛んでくるスズメは、少しなら赴きがあるが、増えすぎるとやっかいである。人の世の中にも、似たようなところがある。
そういった趣旨の話を、たしか池波正太郎のエッセイの中で読んだ記憶があります。
過払い金の返還請求をするときに、その話をいつも思い出して、ちょっとした矛盾のようなものを感じたりもします。
しかしその矛盾を生じさせた理由は、元はと言えばサラ金業者の高すぎる利息にあるわけで、私としては今後も依頼がある以上は、その返還請求にいそしむことになるでしょう。
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