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大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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厚生労働省の村木元局長に無罪判決が出たとか、日本振興銀行の破綻でペイオフが発動されたとか、うちの息子が児玉清の「アタックチャーンス!」の振付けをマネするようになったとか、注目のニュースが相次いでいますが、ひとまず前回の関連で、保護責任者遺棄致死のことを書きます。
 
「保護責任」が認められるかどうかは慎重に検討しないといけないと、押尾学の事件に関連して書きましたが、最近多い子供の虐待事件では、広く保護責任者遺棄致死罪が適用されています。
 
その理由は、親は子を守るという法的義務があるからです。民法820条に、親権者は子を監護する義務を負う(要約)と定められているのがその法的根拠です。
 
親子でもない他人の間で、保護責任が生じる典型的なケースは、交通事故です。これも明確に法的根拠があって、道路交通法72条で、交通事故を起こしたら負傷者を救護しなければならない(要約)と定められています。
 
押尾学の事件に関して検討すると、男性が、自分のいる部屋に遊びにきた女性に異変が生じたときに、助けてあげる義務(道義的な義務ではなく、「それを果たさないと刑務所に入れられる」という意味での、刑法上の法的義務)があるかどうかの問題であって、少なくとも、そんな法律はない。
 
法律がないにもかかわらず、そういった法的義務を課せられるのは、親子ほどの強い結びつきがあるとか、車でひいてしまったほどのひどいことをしてしまった場合に限られると言っていいでしょう。
 
以下は週末の夜の雑談です。押尾学の事件とは男女が逆になりますが、私が大好きな映画俳優にして武道家のブルース・リーが死んだ事件も、少し似たような部分があります。
 
ブルース・リーは、世界にカンフー映画ブームを巻き起こした映画「燃えよドラゴン」が世界で公開される直前だった1973年(昭和48年)7月、愛人の女優、ベティ・ティンペイの自宅で倒れ、そのまま亡くなります。
 
その経緯は、ブルース・リーがベティの部屋で頭痛を起こし、ベティが頭痛薬を渡したところ、それを服用した直後に発作を起こして死んでしまったとのことです。ベティはすぐには救急車を呼ばず、映画会社の社長(ゴールデン・ハーベスト社のレイモンド・チョウ氏)を呼び、その社長が救急車を呼びました(検死の結果、ブルース・リーはすでに脳腫瘍を起こしていたと言われていますが、詳細は省略)。
 
日本と香港では法律が違うでしょうが、ベティは罪に問われたわけではありません。ブルース・リーのファンからさんざん非難されたはずですが、ベティを刑罰に処せよという話までは当時なかったはずです。
 
まさにそのあたりが、保護責任を問う難しさなのだと思います。一緒にいた人が急に容態急変したとして、その法的責任を問われるべきか否かということが。
 
保護責任者遺棄致死のことを掘り下げようとして、私の趣味でブルース・リーの話になってしまいましたが、引き続き、子供の虐待と保護責任の話について書く予定です。
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ブルース・リーのことを思ったのかな。
ブルース・リーの場合はわかる気がします。
騒がれるとブルース・リーの今後に影響するので、
責任者の社長の判断で動くという行動。
押尾学氏の場合は逆です。
騒がれると、女性の今後より、自分の今後の影響のほうが大きい。
ですが、この場合は、自分のことは後回しに考えるのが良いと思います。
自分は後、まずは他人。
みかん 2010/09/13(Mon)10:10:23 編集
無題
当時、死因については香港の法廷でちゃんと事情聴取が行われていますよ。証人としてリンダ婦人や関係者も法廷で証言しています。
リーの腕には注射の痕があり、胃の中には大麻がのこっていました。もう少し調べてから書いたら?うろ覚えで書くんじゃねえよ!
NONAME 2010/09/15(Wed)14:02:03 編集
ご指摘ありがとう。
NONAMEさん、ご指摘の事実については、私もブルース・リー関係のことは相当に調べたつもりだったのですが、恥ずかしながら、全く存じませんでした。

反省して、今後はもっと調べてから書くことといたします。

とりあえず、何を調べたらよいのか、ご指摘の事実が記載されている出典をご教示ください。
まさか香港の法廷の尋問調書を直接ご覧になったわけではないでしょうから、何かの書物であるかと思うのですが…。
山内 2010/09/15(Wed)18:10:08 編集
無題
当時の新聞記事のコピーは、現在では香港の国会図書館に当たる場所にに保管されており、コピーが入手可能。当時販売されていた、新聞記事の採録本も入手可能。当方はシンガポールの方から、当時の新聞記事コピーを入手している。
新燈日報の一面記事にもなったくらいの話題ですよ。あなたの書き方に含まれるのは、いやみですね。「そんな記事があるなら、言ってみろ」的な。どんな調べ方したか知りませんし、興味もありません。ただ、当方はコレクター暦30年以上、コレクション総数6000以上です。
あなたこそ、どんな資料で調べたんでしょうか?
逆にこちらが聞きたい。
NONAME 2010/09/19(Sun)11:01:06 編集
無題
典型的な話題のすり替え、心理学用語でいうところの「アレクサのつり橋」ですね。
そちらこそこういう公の場に書く以上は、ちゃんと出典をまず書いておくべきでしょう。
こういう本や資料で調べたらこうでした、とね。
あ、最後に一つ。
ティンペイの家にはリー一人では行っておりませんので、念のため。詳しくは「銀色世界」1973年9月号をお読み下さい。
NONAME 2010/09/19(Sun)11:12:17 編集
無題
ベティを刑罰に処せよという話までは当時なかったはずです。
・・・・・・・・。
ふーん。で、どの資料にそう書いてあったんですか?
~のはず?あなた調べてないんじゃないですか?
記憶を頼りに、聞きかじりで伝聞する事を一般的に「知ったかぶり」と言うのです。
国語辞典より。
NONAME 2010/09/19(Sun)11:43:53 編集
無題
当時の論調は、いわゆる「ロス疑惑」的な物でした。ティン・ペイ擁護のマスコミは極少数。
「ベティを刑罰に処せよという話までは当時なかったはずです。」
あなたが少しでも調べたのであれば、とてもそんな文章にはならないと思うのですが。

NONAME 2010/09/19(Sun)11:51:25 編集
無題
大体、このブログ記事自体が亡くなった女性のご家族の気持ちを考えているとは、いい難いのではないでしょうか。あなたのお子さんが亡くなったとして、そばにいて救急車呼ばなかった人間がいたとして、同じ事を言えますか・・・。
偽善者 2010/09/19(Sun)12:03:02 編集
男らしくない
最初の書き込みにはすぐ返答しているみたいだけどさ、こんだけみんなからカキコされたらスルーなんだ。弁護士だけに、黙秘権です、とかね。
裁判員 2010/09/20(Mon)01:00:21 編集
無題
多数のコメントが寄せられたようです。
コメント多数の場合は逐一返答しませんのでご容赦ください。
とりあえずまとめて、
NONAMEさん、ご指摘ありがとう。
新聞と「銀色世界」なのですね。そうですか。
偽善者さん、そういった気持ちの問題とは別個の問題としてろんじていたつもりです。
裁判員さん、匿名でのコメントしかできない人が、人のことを男らしくないと言っちゃいかんなあ。
山内 2010/09/20(Mon)01:54:29 編集
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