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大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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岡田外相が、アフガニスタンを訪問しました(と、珍しく外交の話も書いてみようと思います)。

向こうの大統領と何を話したかというと、今後の支援についてです。
これまで日本は、アフガンに対する支援として、「海上自衛隊による海外給油活動」を行ってきました。鳩山政権はこれをヤメにすると言うので、それに代わる支援のあり方を協議したのです。

海上自衛隊はそもそも海外で何をしているのかというと、インド洋あたりで、アフガンやパキスタン(地図でいうと、たぶんインド洋の左上くらいにある)に向かうアメリカやイギリスなど多国籍軍の船に対して、燃料を供給しているのです。

アメリカやイギリスの船が何をしにインド洋を渡っているかというと、たぶん、アフガンにいるタリバンの残党と戦いに行くのです(今回よく知らない分野なので、「たぶん」が多くてすみません)。
タリバンと言えば、8年前にアメリカで同時多発テロを起こしたとされる、やっかいな人たちです。

日本の自衛隊は憲法上、海外での軍事行動ができないとされているので(解釈上、争いはありますが省略)、せめて燃料補給で協力しようというわけです。
一部雑誌や新聞で読んだ受け売りですが、この支援が、アフガンに向かう外国の人たちには、かなり好評なのだそうです。たしかに、海の上を進行している船に、その状態を保ったまま、給油を行うのは、考えてみればすごい技術です。

自動車を運転している人が、ガソリンスタンドに連絡して「ちょっと急いでいるので、走った状態のままガソリン入れてもらえませんか?」とお願いしたところで、きっと断られます。海上でそれをやるわけですから、先を急ぐ外国艦隊の人にも喜ばれるでしょう。

それをやめるのだそうです。それは多国籍軍や、その救援を待っているアフガンやパキスタンの人たちにとって、不安なことでしょう。逆にタリバンにとっては、補給の要路が断たれたということで、喜ばしいことです。果たしてそれで良いのか。

自衛隊は軍隊じゃないのだから、海外の活動などしなくて良いのだ、と言ってしまっていいかどうかには、大いに懸念があります。
やっかいな国や人は、地球上、タリバンに限りません。日本には近くに北朝鮮のようにミサイルをばんばん飛ばしている国があります。
そういう国が日本をおびやかすようなことをしてきたとき、外国に助けに来てくれと言ったとして、給油の手伝いすらやめてしまった国に、どこまで親身になってくれるのか。

給油はやめたいし、イザというときのために国際社会は頼みにしたい、となれば当然、次は「じゃ、カネだせ」ということになります。子ども手当の財源など吹き飛ぶくらいの支出になるでしょう。

結局、私はこれも「変えないほうがよい」ことだと思っています。

給油活動も、憲法の制約の中で日本は何ができるかということを、国内のいろんな考え方の人と妥協し、諸外国とも交渉しつつ行ってきた、ぎりぎりの国際協力なのです。
それを、「自衛隊は海外に出るべきでない」という理念だけでヤメてしまうと、これまでぎりぎりのところで成り立っていた様々なバランスが崩れてこないかと、心配しています。
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