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大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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京都・舞鶴の女子高生殺害事件で、発覚から約半年を経て新展開。

容疑がかかっている60歳の男性宅に家宅捜索(いわゆる「ガサ入れ」)が入ろうとしていたところに、その男の弁護人が「準抗告」をしたために捜索が延期されたと、昨日の夕刊に出ていました。
捜索現場を取材しようと張り付いていた報道陣には肩すかしであり、その京都の弁護士に「何すんねん」と思ったかも知れません。

この事件、いま何が問題になっているかについて書きたいと思います。

この60歳男性は、女子殺害とは全く関係のない窃盗事件(賽銭泥棒)で逮捕されており、それについてはすでに起訴されて刑事裁判が始まっている。小室哲哉みたいに保釈されていなくて、今でも拘置所か警察署で勾留されています。

しかしこの、賽銭泥棒で逮捕したというのが、すでに「別件逮捕」であるニオイがする。
つまり、最初から女子殺害(殺人罪)の容疑で睨んでいたが、証拠もないから裁判官は逮捕状を出さない。そこで、容疑の固まっている賽銭泥棒(窃盗罪)という「別件」で逮捕しておいて、「お前、殺しもやってるやろ」と追及し、口を割らせようというわけです。

このような「見込み捜査」に基づく別件逮捕は違法とされています。
もっとも、これは容疑者・弁護人側の論理であり、警察側はきっと、「賽銭泥棒はれっきとした犯罪だから逮捕したのだ。その過程でたまたま殺しの疑いが浮上しただけだ」と言うでしょう。

しかしこのような手法がまかり通るなら、冤罪による逮捕が頻発します。
皆さんだって、たとえば駐車違反か何かで突然逮捕されて、「何でそんなことで」と思っていたら、取調室の密室で身に覚えのない殺人事件をあげられ、「犯人はお前やろ」と追及される可能性があるとすると、恐ろしいことでしょう。

これが違法な別件逮捕か否かはともかく、いずれにせよこの男性には殺人罪の逮捕状は出ていない。そこで容疑を固めるために、先に家宅捜索をして、証拠品を差し押さえようというわけです。

捜索するにも裁判官の「捜索・差押令状」が必要です。
裁判官が、それくらいは認めてもよかろうということで、その令状を出した。
それに対して、弁護人が異議申立てをした。それが今回の「準抗告」なのです。

と、準抗告のことで書こうと思っているうちに前置きが長くなったので、次回に続く。
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