大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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昨日今日と「大たこ」の検索キーワードで当ブログへ来られる方がかなり多いようです。立退き訴訟で最高裁の判断が出たことにからんでいるのでしょう。前回の続きはシリーズ化して追って書くとして、今日はこの件に触れます。
この事件は、大阪・道頓堀の橋の上で長年営業してきた「大たこ」というたこ焼き店が、大阪市に対し「市有地を時効取得したから土地の名義を書き換えよ」と訴えたのに対して、大阪市が時効取得を否定し、逆に「不法占拠だから立ち退け」と訴えた、と言うものでした。
これまでの裁判の経過をごく大ざっぱにまとめますと、昨年3月の大阪地裁の判断は、時効取得を否定しました。
たこ焼き屋の簡単な屋台を置いているだけでは時効にならない、ということです。ただ、これまでの市と大たこ側の話し合いの経緯などからして、明け渡せとまでいうのは権利の濫用であって認められず、大たこは土地の使用料を払えば営業できる、としました。当時のブログ記事はこちら
大阪高裁は、今年1月、この判断を覆しました。時効を認めなかったのは同じで、かつ権利濫用でもないから、大阪市は大たこに立ち退きを求めることができる、という結論でした。こちら
大たこ側が最高裁に上告しましたが、22日、最高裁は上告棄却決定を出し、大阪市の勝訴が確定しました。
論理としては、高裁・最高裁のほうが明快です。土地は大阪市のもの、時効は成立していない、だから大たこは立ち退かないといけない、ということです。
地裁判決は、大たこ側に配慮して、お金さえ払えば立ち退かなくて良いとしたのですが、大阪市が所有権を持つ土地なのに、立ち退きを求められないというのは不明瞭です。
やや乱暴な言い方をしますと、この事件に限らず裁判というのは、地裁の1審判決では法の理屈を多少ねじ曲げてでも、温情的な、よく言えば血の通った判決をすることが多いのですが、高裁(2審)・最高裁(3審)となると、法の論理に沿った、ドライな判決がされることが多いと言えます。
それは、地裁の裁判官は、紛争がまだ煮えたぎっている状態からその裁判に関わり、法廷では直接に当事者の証言を聴くなどして、事件そのものと生身で接しているためです。その中で、目の前の当事者にとって妥当な解決を模索するわけです。
しかし高裁・最高裁となると、裁判官は基本的には書類にしか接しません。だから、個別具体的な妥当性よりは、法の論理というものが前面に出てくる。
そう書くと、高裁・最高裁は冷たいもののようにも思えますが、世の中には無数の紛争があり、そこに法律があることで秩序が保たれている以上は、個別の事情からは一歩引いた「高み」から判断を下す存在も、必要なのです。
とにかく、「大たこ」は立ち退かないといけないことになりました。
それでも、「権威」というものが嫌いな大阪人のこと、かつて梅田のライブハウス「バナナホール」が立退きを求められた際にミュージシャンが「篭城ライブ」を行なったように、「大たこ」スタッフが屋台に立てこもって「小麦粉が尽きるまでたこ焼きを焼き続けるぜ!」といった光景が見られることになるのでしょうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
追記:その後の最新記事はこちらをご覧ください。
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法って難しい><
ここまで進んでたんですねw
大タコを、結論に使った「屋台」と言っていいかどうかって問題になりませんか?
移動しないで、ほとんどの利用客が、その場所にあるものだと認識しているお店を、
たとえ、簡単な構造、移動可能な店舗でも、
それを屋台として定義してしまっても良いのか?と思います。
車輪を外して動けなくすれば、屋台ではなくなる?という問題になりますよね。
屋台の定義を法律でされていたらすいません。。。w
書いてて疑問に思いましたが、
屋台では占有していないことになり、時効にはならないということでしたら、
大阪の土地を使っていないということになりそうですけど。
つまり、家賃の支払も、立退きも必要なく、「ん?占有してないんでしょ?」って言えばそれまでのような。
占有していれば時効で、占有していないのならそのまま変化なしになりそうな気がします。
・・・屁理屈ですね><
これが企業vs企業ならこの結論でいいと思いますが、
住民のための大阪が相手で、
住民のためになっていない結論が出るのには納得いきませんね。
強行立退き?ってそんなに激しいんですね?
知識が無いからかもしれませんが、
公務執行妨害になりそうな感じもしますが・・・w
大タコを、結論に使った「屋台」と言っていいかどうかって問題になりませんか?
移動しないで、ほとんどの利用客が、その場所にあるものだと認識しているお店を、
たとえ、簡単な構造、移動可能な店舗でも、
それを屋台として定義してしまっても良いのか?と思います。
車輪を外して動けなくすれば、屋台ではなくなる?という問題になりますよね。
屋台の定義を法律でされていたらすいません。。。w
書いてて疑問に思いましたが、
屋台では占有していないことになり、時効にはならないということでしたら、
大阪の土地を使っていないということになりそうですけど。
つまり、家賃の支払も、立退きも必要なく、「ん?占有してないんでしょ?」って言えばそれまでのような。
占有していれば時効で、占有していないのならそのまま変化なしになりそうな気がします。
・・・屁理屈ですね><
これが企業vs企業ならこの結論でいいと思いますが、
住民のための大阪が相手で、
住民のためになっていない結論が出るのには納得いきませんね。
強行立退き?ってそんなに激しいんですね?
知識が無いからかもしれませんが、
公務執行妨害になりそうな感じもしますが・・・w
引き続き…
お読みくださりありがとうございます。
ブログでは、簡単に「屋台」と表現しましたが、
屋台だからダメ、というよりは、地面にきちんと設置したものでないと占有したことにならない、と理解してください。
たとえば、ある人が自分の自動車がポンコツになったので放置していて、それが実は隣の人の土地にかかっていたのだけど、隣の人がお隣さん同士だからとカドを立てずに黙認していたとして(田舎ではありそうです)、それだけで時効を認めてよいかというと、やはり問題ではないかと思います。
あと、大阪の住民である私としては、「大たこ」はあの場所にあって、正直言うと少し邪魔でした。道頓堀の中心部に行列もできるし、橋も狭くなるし、通行しにくかったのです。
それが不法占拠だったのだとしたら、なおのこと、おとなしく立ち退いてほしいなというのが、率直なところです。
ブログでは、簡単に「屋台」と表現しましたが、
屋台だからダメ、というよりは、地面にきちんと設置したものでないと占有したことにならない、と理解してください。
たとえば、ある人が自分の自動車がポンコツになったので放置していて、それが実は隣の人の土地にかかっていたのだけど、隣の人がお隣さん同士だからとカドを立てずに黙認していたとして(田舎ではありそうです)、それだけで時効を認めてよいかというと、やはり問題ではないかと思います。
あと、大阪の住民である私としては、「大たこ」はあの場所にあって、正直言うと少し邪魔でした。道頓堀の中心部に行列もできるし、橋も狭くなるし、通行しにくかったのです。
それが不法占拠だったのだとしたら、なおのこと、おとなしく立ち退いてほしいなというのが、率直なところです。
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