忍者ブログ
大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
[185]  [184]  [183]  [182]  [181]  [180]  [179]  [178]  [177]  [176]  [175
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

前回、「俳優の不祥事」と「作品のお蔵入り」には因果関係がないのではないか、ということを書きました。
 
法律上もそんな決まりはありません。むしろ、「出演者が法律違反を犯した場合はその関係作品を上映してはいけない」といった法律を国が作れば、表現の自由に対する抑圧になります。
 
もっとも、放送局や製作会社など(以下まとめてマスコミと言いますが)の肩を持つとすれば、彼らにも言い分があるでしょう。つまり、「電波は『公器』であり、不祥事を起こした人の映像や音声を乗せるわけにはいかない」ということです。
 
しかし、ノミ行為をした志村けんとか、公園で裸になった草彅くんなども、すぐテレビに復帰しましたし、刑事裁判が現在続いているとか、執行猶予中の身であるような人も、テレビにばんばん出ています。私はそれが悪いとは全く思いませんが、自主規制するというのなら、そういう人も一切出さないようにしないと一貫しない。結局、このような自主規制は、非常に曖昧なものでしかない。
 
もっとも(…と、またマスコミの肩を持ちますが)、そのような自主規制がどうして行なわれるかというと、やはり、何か気にくわないことがあったらすぐクレームをつけたがる視聴者が存在するからです。だからマスコミとしては無難な内容にせざるをえず、不祥事を起こした人の作品は当分自粛するというのも、理解できなくはない。
 
しかし(…と今回はマスコミを上げたり下げたりしますが、様々な立場を考慮しながら落とし所をさぐるのが、私たち法律家の思考方法です)、マスコミの対応は気持ちの上ではわかるとしても、それだけで直ちに、法律上の因果関係があると見てよいわけではない。
 
結局これは「不祥事、即、お蔵入り」という事実関係が、「マスコミが過敏に自主規制をしただけ」にすぎないのか、「法的レベルにおいて因果関係を認めてよいほどの当然の結びつきがある」と見てよいのか、という問題なのです。
 
(どちらに転ぶかわからない問題ですので、実際には、多くのケースで、事前に契約で「法律に触れるようなことをした場合は違約金いくらを支払う」と取り決めておくことが多いと思いますが、それがないと、裁判で決着させることになる)
 
この問題を判断するのは裁判所の裁判官ですが、こういったことは物理的・科学的に証明できることでもないので、結局は「社会通念」で考えざるをえない。裁判所も国家機関として、主権者たる国民の意思と乖離してよいわけではないので、裁判官が、国民の世論や常識を取り入れながら決めることになります。
 
ということで、東京地裁はどう判断するのか、注目したいと思います。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
お知らせ
一時的に戻ってきました。 左上に「裏入口」という小窓が出てくるかも知れませんが、当ブログとは関係ありません。おそらくアダルトサイトへの入口なので、クリックしないでください。
現在の来訪者数
ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ [PR]