忍者ブログ
大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
[74]  [73]  [72]  [71]  [70]  [69]  [68]  [67]  [66]  [65]  [64
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「原田伸郎が拳銃所持で書類送検された」と、ネット上のニュースの見出しを見て驚きました。あの原田伸郎が、どうして拳銃なんか持っていたのか。

原田伸郎は、たぶん多くの方がご存じだと思いますが、清水国明と「あのねのね」というデュオで活躍していた方で、コミックソングの元祖みたいな存在です。
昭和50年初頭のころ、5歳くらいだった私にとって、「あのねのね」は「ザ・ドリフターズ」とともに「面白いおじちゃんたち」として双璧をなしておりまして、
「犬ワンワンワン、猫ニャンニャンニャン、カエルもアヒルもガーガーガー」
という、いま思えば何が面白いのか分からないフレーズで、一世を風靡しました(よね?)。

と、そういうどうでもよい回想はともかく、
原田伸郎がやったことは、新聞やネットの記事によりますと、滋賀県のローカル番組で地元の猟師さんの取材をした際、その猟師の猟銃を手渡されて、「重いですねえ」と言いつつ持ったことが、銃砲刀剣類等取締法、いわゆる銃刀法にあたるとされたらしい。

銃刀法によると、「正当な理由なく銃を所持してはならない」ことになっていて(条文は適宜意訳)、猟師や警官なら厳密な管理の上で所持することが許されるが、タレントである原田伸郎は当然そんな資格は得ていない。それで銃刀法にひっかかったとのことです。

猟師の目の前で、手渡された猟銃を持っただけで、果たして「所持」したことになるのか。
所持とは、簡単に言えば、物を管理・支配している状態です。ヤクザが売人から拳銃を買ったとか、その子分が預かって保管していたというのが典型です。

一瞬だけ手にするのも、管理・支配したことにあたるのか。
この点、モノの本によりますと、判例上は、所持の態様(特に所持した上での移動距離)や、時間的継続といった点から、総合的に判断されるとあります。

問題となった場面を私は見ていないので、あまり断定的には言えませんが、
例えば、猟銃を渡された原田伸郎が、カメラに向かって数歩あるいて、
「犬ワンワンワン、銃バンバンバン」、とでも悪ふざけしたとしたら、短時間ながら銃を管理・支配したと言えるかも知れない。

しかし、目の前の猟師に手渡されて、重さを確かめてすぐ返した、という程度であったとすれば、所持にあたらないのではないか。その映像を見て、「あっ原田伸郎が猟銃を手に入れてしまった」と思う視聴者はきっといないでしょう。

草なぎクンの公然わいせつ事件が「不当逮捕」だったとすれば(私個人は不当とは思っていないのですが)、この件のほうがよほど「不当書類送検」と言えると思ってまして、個人的には草なぎクン逮捕よりショックに思っています。

幸い、原田伸郎はあくまで「書類送検」であって、草なぎクンみたいに逮捕されて身柄ごと検事に送られたわけではない。今後、担当検事としては、「所持」の解釈をぜひ厳格に捉えて、適切な処理をしてほしいと思っています。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
お知らせ
一時的に戻ってきました。 左上に「裏入口」という小窓が出てくるかも知れませんが、当ブログとは関係ありません。おそらくアダルトサイトへの入口なので、クリックしないでください。
現在の来訪者数
ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ [PR]