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大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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こでは芸能ネタは扱いません。と言いつつ、昨年末から海老蔵事件などについて縷々のべておりますが、ことのついでに、これまた週刊誌から拾った不倫の話について。

大桃美代子さんというタレントは、かつて山路徹氏というカメラマンと夫婦であったが、この2人の離婚後、山路氏は麻木久仁子さんというタレントと結婚した。
しかし、大桃さんの主張によると、大桃・山路の婚姻期間中に、すでに麻木・山路が不倫関係にあったということです。まあ、ありがちな話ではあります。

ご存じのとおり、不倫すると慰謝料を請求されます。この例でいくと、大桃さんは、麻木さんに慰謝料を請求できる。
の法的根拠は、法律上の婚姻をしている夫婦は、互いに貞操を守る義務を負うのであり、不倫はそれを侵害する行為である、という点にあります。

大桃さんは、婚姻期間中は、夫である山路氏に、「私以外の女性と淫らなことをしてはダメ」という権利があり、山路氏はそれに従う義務を負う。
麻木さんがその期間中に山路氏と不倫関係(端的に言えば肉体関係)を持つと、大桃さんのこの権利を害したこととなり、それによって大桃さんは精神的苦痛を受ける、ということです。

ただ、婚姻期間中であったとしても、夫婦関係が破綻していて、相手が不倫していようが精神的苦痛を受けないこともありうる。その場合は、慰謝料の支払義務が否定されることがあります。

大桃さんは山路氏とほどなく離婚しているので、麻木さんと関係を持った時点で、すでに大桃・山路の婚姻関係は破綻していたのだとすれば、麻木さんは慰謝料を払わなくてよい。

しかし、この点が裁判で争われることとなれば、麻木さんは、その時点で婚姻が破綻していたということを証明する必要があります。すでに別居していたような事情があれば比較的証明しやすいですが、そうでもなければ、その証明は極めて難しいでしょう。

山路氏が証人として「すでに家庭内別居だったよ」と証言するだけでは弱いです。それだけで慰謝料が否定されるのなら、大桃さん(それに限らず世の中の奥さん全般)がかわいそうであり、不倫のやり放題になってしまうからです。

法的に婚姻しているというのは、それだけ強い立場にあるということでして、不倫をするにはそれなりの覚悟が必要です。

ついでに言うと、大桃さんはこの不倫疑惑を自身のツイッターで書いたそうですが、それも問題ありです。不倫は違法行為ではありますが、それをことさらに大っぴらにすることは、麻木さんに対する名誉毀損となると考えられます。

この件が今後、訴訟合戦になったりしたら、ワイドショー的には面白いかも知れませんが、傍観者である私としては、どっちもどっちの話で、まさにどうでもいいと思っています。
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年明けに週刊誌を見て知りましたが、海老蔵の顔面を骨折させたリオン容疑者が、昨年末に起訴されたそうです。ですから現在、リオンは「被告人」ということになります。

年末のテレビなどによりますと、海老蔵とリオンの間には「示談」が成立し、互いに賠償金を請求しないという合意に達し、海老蔵もまたリオンの厳しい処罰を求めないとの「上申書」を警察・検察に提出したそうです。

だからリオンは、不起訴で釈放、または略式裁判(書類審査で罰金のみで終わる)になるのではないか、とも言われていたのですが、今後、法廷にて正式の刑事裁判を受けることとなりました。

海老蔵事件自体については、昨年ここでも書いたとおり、特段の興味はないのですが、今回書こうとしているのは、このように、示談になっても起訴されることは充分ありうる、ということです。

私も弁護士ですから、刑事弁護の依頼も引き受けます。リオンのように暴力沙汰を起こして逮捕され、その親などが駆け込んできて、被害者と早く話をつけてほしい、示談して、被害届や告訴状を取り下げさせてほしい、と懇願されることもあります。

もちろん、逮捕直後の刑事弁護人の仕事は、被害者と折衝し、示談をまとめるというのも重要な一つです(それは容疑者のためだけでなく、被害者の被害回復のためでもあります。警察・検察や裁判官は、被害者のために賠償金を取りたててくれるわけではありませんから)。

ただ、示談できれば必ず釈放される、と単純に信じている人も結構いるのですが、それは違います。

たとえば、大金持ちの人が誰かを殺害し、カネにモノを言わせて遺族に何億もの賠償金を渡して、遺族が「示談に応じます、厳しい処罰を求めません」と言ったら、その殺人者は刑事処罰を受けなくても良いのかと言われると、それは誰しも不正義だと感じるでしょう。

結局、示談できたかどうかは、起訴・不起訴を決める際の要素の一つにすぎず、その他、犯行の悪質さや、被害の大きさなどから総合的に判断されているわけです。

示談とはあくまで、被害者が加害者に「これ以上は賠償金を請求しません」というだけの話にすぎません(個人と個人の関係)。
これに対し起訴・不起訴というのは、刑法という国法に反した者に対し、国家が刑罰という制裁を加えるべきか否かの問題です(国家と個人の関係)。

だから両者は別次元の問題で、前者がクリアになったからといって後者の問題もなくなるというわけではないのです。

ということで、リオン被告人の刑事裁判には、多数の傍聴人と取材が来ることになるでしょう。
引き続き、正月気分を引きずって、どうでも良い話を続けます。

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月1日、息子の誕生日プレゼントに「スーパーオート・トミカビル」を買い与えました。電動のタワーパーキングのおもちゃで、トミカのミニカーがその中を行き来するのですが、ミニカー好きの息子は元日以降、すっかり気に入ってます。

さて最近のインターネットの発達は実に便利で、息子が1歳のころから、むずがったりしたときには(母親には「母乳」という最強アイテムがありますが父親にはないので)、トミカのサイトを開いて見せたりしています。

息子は特に「ハイパーブルーポリス」シリーズの宣伝用ムービーが好きでして、これはトミカタウンという街を守る特殊警察のようなものです。

犯人が車で逃走したりすると、ハイパーブルーポリスが出動し、煙幕弾を発射して犯人の車を横転させて逮捕したり、犯人がビルの中に立てこもると、パトカーが「装甲車モード」に変形し、ビルの壁を突き破っていきます。

これを行政法的に見ると、警察比例の原則(警察の実力行使は相手の力に見合わないといけない、つまり「やり過ぎ」はいけないという原則)に明らかに反しており、裁判の段階になったら弁護側が、「行きすぎた実力行使で違法逮捕だ」などと主張してくると思うのですが、息子はもちろんそんなことを考えず楽しそうに見ています。

将来、息子に「お父さんの仕事は何?」と聞かれたときに、「ハイパーブルーポリスに捕まえられた人たちを護ってあげる仕事なんだよ」と言ったとしたら、息子は理解してくれるだろうか、と考えたりもします。

1月4日は伊勢神宮にお参りに行きました。

菅総理が参拝に来たせいで、交通規制があったりして迷惑でしたが、息子も総じてぐずることなく、長い道のりを耐えてくれました。

新聞か何かで、伊勢神宮の参拝人数が増加しているとの記事を見ました。理由の一つには、神社仏閣を「パワースポット」として紹介する情報誌の存在もあると思います。そのこと自体は良いとしても、その一方で、パワーが得られるなどと称して、うさんくさい商品を売り付ける業者も出てきていると、これも何かの新聞で読みました。

私は、即物的に言いますと、神社などにお参りすることのみで神様のご加護が得られるなどとは思っていません。それでも、伊勢神宮に限らず神社やお寺、そして墓参りなどに行くと、やはり何らかのパワーを得られた気がします。

それは、我々日本人が古くから大切にしてきた場所に訪れ、我々のきた歴史を思い敬うことによって、今を生きる我々にも、内省の機会と、これからを生きる活力が得られるからだと思います。

神様仏様や自分のご先祖を敬う気持ちを持つ人は、自然に、我々の歴史と、今を生きる人々を敬う気持ちを持つこととなり、それはその人の対人関係や、仕事への接し方などに反映するでしょう。そういう人は、きっと色々なことが良い方に動いてゆくでしょう。「神様のご加護」というものがあるとすれば、つまりはそういうことだと思っています。

当事務所は明日6日から通常営業です。

今日は息子とスーパーオートトミカビルと、ハイパーブルーポリスで遊んで、また明日から業務に邁進する所存です。
今年もよろしくお願いします。(正月の雑談おわり)
あけましておめでとうございます。
正月気分を引きずって、たまには完全な私ごとのみを書きますので、正月休み中または休み明けでまだヒマな方のみお付き合いください。
 
1月1日は息子の誕生日で、この日で2歳になりました。
 
2年前の正月元旦、朝から妻がお腹が痛いと言い出し、ひとまず2人でテレビなど眺めながら様子を見て、夕方、やっぱりこれは陣痛だろうということになって、かかりつけの産科に行きました。その日のうちに産まれました。
 
私は、お産の瞬間には立ち会っていません。職業柄、いろいろな物事を見てきていますが、お産だけは男が見るべきものではないと思っています。これは全く私個人の考え方ですが、お産はどこまでも女性の、母親のものであると思います。
 
10か月もの間、母親は重たいお腹を抱えて、産む瞬間には壮絶な痛みを伴います。
痛みも伴わず、最後の瞬間を傍観しただけで、「父親もお産に協力しました」などと、言うのも言われるのも気恥ずかしいのです。 
だから私は看護婦さんに「私は部屋から出ますので、肝心なところになったら言ってください」とお願いしました。
 
そして、その肝心なところになって、分娩室前の廊下に出て、妻の状況が落ち着いたら近くのコンビニで缶ビールと夜食を買いに行こう、と不純なことを考えていると、赤ちゃんの泣き声が聞こえました。病院に着いてから2時間程度、私が分娩室を出てからだとせいぜい半時間のことでした。
 
私は自分の息子を眺めつつ、この子は初日の出とともに破竹の勢いで母のお腹から出てきたのだ、と思いました。妻と一緒に部屋の窓から眺めた日の出を忘れまいと思いました。この元旦のお日様が、この子の行く先をいつまでも照らし続けてくれるだろうと、そんなことを考えました(このくだり完全に親バカの妄想ふうになっていてすみません)。
 
世の中には、こそこそ隠れてつまらぬ悪事を働いてコガネを稼いでいるような連中が大変多いです。仕事柄、そういう人たちがあまりにたくさん存在することを見てきています。そんな日陰の連中には、決して我が子はなってほしくないと思います。
 
私も、父親として、そして弁護士として、この子に恥じない存在たらんと思いました。私の仕事や振舞いが、太陽のもとに照らされても、この子の目に見られても、何ら恥ずることのないような生き方をしようと思いました。
 
それが、2年前の正月のことでした。その後、息子は幸いにもすくすくと育っています。
私のほうは、仕事は良くも悪くも大きく変わることなく、ただ家庭では、あれだけ子供に恥じぬようにと誓いながらも、たまに酔っ払って家に帰って子供をあぜんとさせ、妻を呆れさせています。
子供も知恵がついてきたので、改めて、気を引き締めようと思ったこの正月です。
 
いましばらく正月ボケ的な話が続くかも知れませんが、ヒマな方のみお付き合いください。 
当事務所の年内の業務は28日をもって終了させていただきました。
だから、ということでもないですが、今回は完全に雑談です。

大阪の人間は、誰もが「お笑い」と「たこ焼き」には一家言を有しています(たぶん)。

お笑いといえば、「M-1グランプリ」が本年で終了しました。出場した漫才師のなかで誰が面白いか、という議論は、大阪の人間に限らず、お笑い好きなら尽きない話題でしょう。

私も楽しんで見ていたほうですが、ただ、私個人の感想としては、お笑いというのは、あまり真剣にやられると、こっちが興ざめするように思います。演じる側の意気込みや熱意が伝わり過ぎると、見ているほうが緊張してしまい、肩の力を抜いて笑えなくなってしまうのです。

同じようなことが、たこ焼きにもあてはまると思えます。

今でこそ「大阪名物」などと言われていますが、私の子供時代のたこ焼きのイメージと言えば、夜店の屋台とか、銭湯に行った帰りに民家の軒先で焼いているのを、親に買ってもらったという程度で、あれはおいしかったのかというと、子供が小腹を満たす程度のものでしかありません。

たこ焼きはどこまでいっても所詮たこ焼きで、小麦粉とソースの味でしかなく、あれをおいしいと思って食べたことはないです。だから、たこ焼きの店に行列ができるというのが、私には今でも理解ができません。

ここでも何度か触れた、道頓堀のたこ焼き「大たこ」は、ついに大阪市の指導に従い、不法占拠であった店を自主的に撤去し、近くのビルで再開したらしいです。

撤去したのは当然で、「遅すぎた」という感想しかないのですが、もう一つ、不法占拠中の賃料相当額をきちんと大阪市に払ったのかどうかは気になります。もしまだだったら、市はきちんと取りたてるべきでしょう。

ともかく、お笑いもたこ焼きも、相当な修練が必要な技術であることはわかるのですが、それを表には出さず、所詮はお笑い、所詮はたこ焼き、くらいのスタンスでやってくれるほうが、私は好きです。

こ数年は、M-1はじめお笑いが熱くなり過ぎたように思えます。不法占拠のたこ焼き屋も、何の意地だか法廷闘争などして、ずいぶん興ざめしました。

この年でM-1も橋の上の「大たこ」も終わったということで、私の気持ちに一区切りついた思いがしています。

海老蔵事件に触れたついでに、さらにどうでもよい話を続けます。

週刊誌などの報道では、リオン容疑者の知人(暴走族の元リーダーとかいう人)の「証言」が紹介されていて、最も有名なものは、「灰皿にテキーラを入れて飲ませようとした」というものでしょう。

私は、テキーラよりはスコッチが好きなのですが、どっちであれ酒好きの私としては、灰皿にテキーラを入れるなどというのは、酒に対する侮辱であり、もし本当なら殴られても仕方がないと、感情としては思います。

個人的感情はさておき、ここでは灰皿にテキーラを入れる行為の違法性について検討したいと思います。

まず、灰皿にテキーラを入れること自体は、刑法上の犯罪には何ら触れないでしょう(もちろん店の人には怒られるでしょう)。

昔の有名な判例として、料理屋で皿に放尿した行為が器物損壊罪(刑法261条、3年以下の懲役または30万円以下の罰金)にあたるとされたケースがありますが、これはおしっこをかけられた料理皿など心理的に使えなくなるためです。テキーラを入れられた灰皿は、洗えばまた使えます。

また、相手を脅すなどして灰皿のテキーラを無理に飲ませると、強要罪(刑法223条、3年以下の懲役)になります。実際に飲まなくても無理に飲ませようとすると、強要罪の未遂になります。

灰皿テキーラを強要して飲ませて、相手がお腹をこわしたりすると、傷害罪(刑法204条、15年以下の懲役または50万円以下の罰金)にもなるでしょう。

また、他の客がいる店内で「俺の灰皿テキーラが飲めねえのか!」などと大声で凄むと、威力業務妨害罪(刑法234条、3年以下の懲役または50万円以下の罰金)になりますし、「お前のようなヤツには灰皿テキーラがお似合いだ!」などと侮辱すると、侮辱罪(刑法231条、30日未満の拘留または1万円未満の科料)にもなりうるでしょう。

では、海老蔵の灰皿テキーラが上記いずれかの犯罪に該当するのだとたら、リオン容疑者がそれに激昂して海老蔵を殴った行為は正当防衛になるのかというと、それはまず無理でしょう。

仲間に侮辱を加えられたから殴ってやり返す、というのは、任侠ものや香港のカンフー映画ならよくある話でしょうけど、現実には許されません。

正当防衛(刑法36条で無罪)が認められるのは、あくまで自分または他人に危害が加えられているときに限ります。

たとえば海老蔵が暴走族元リーダーの口を押さえつけて灰皿テキーラを流し込もうとしていて、そこにリオン容疑者が割って入って海老蔵を突き飛ばした、というようなケースであれば、正当防衛となる余地もあるでしょうが、さすがに海老蔵はそこまでしていないと思います。

ということで、「海老蔵事件を追う」シリーズは以上2回で終了します。

1週間と少し、更新が空いてしまいました。書きたい話題と、書くヒマさえあれば、連日の更新になりますが、この間はその両方がなかったとご理解ください。

さて、この間の話題として、あえて触れるとすれば、海老蔵でしょうか。

歌舞伎は見ませんがヤマキのCMは好きでして、これは海老蔵がそうめんをうまそうに食べるCMで、季節ごとにそうめんの調理方法が違っていて、日曜日の昼「新婚さんいらっしゃい!」をぼんやり眺めていると合間にこのCMがよく流れるので、遅めの昼ごはんに「そうめん食べたいなあ」と思ったりするのですが、あの爽やかにそうめんを食べていた人が殴られて大ケガしたのかと思うと、さすがに最初はびっくりしました。

週刊誌レベルでは、殴った人は東京で恐れられている人で、暴走族やヤクザ社会でも一目おかれていて、海老蔵はそういう裏の社会とつながっていたかのような記事も見かけたりしました。

しかし、その後の報道等を見ていると、「驚愕の事実」みたいなものが出てくるわけでもなく、この一件はおそらくどこまで行っても「酒場のケンカ」のレベルを過ぎないのだろうなと思っています。

ケンカなら、なぜ海老蔵は逮捕されず、殴ったリオン容疑者は逮捕されたかというと、それは簡単です。海老蔵は明らかに大ケガしたけど、リオン容疑者はケガしている様子もないからで、現時点で見る限りではリオン容疑者が一方的に暴行したとしか見えないからです。

実際には、海老蔵がリオン容疑者やその「知人」に手を出しているかも知れないし、そうなればリオン容疑者に正当防衛が成立する可能性もなくはない。そこは今後の事情聴取を待つことになります。

しかし、海老蔵の顔の骨が砕けるほどの暴行を正当化するからには、事前に海老蔵側からよほど強度の暴行を受けている必要があるでしょう。もしそんな状況であれば、リオン容疑者またはその知人は救急病院に搬送されていたはずです。

海老蔵が被害届を出した上で、対応を弁護士に任せたのも、当然のことです。ことを大っぴらにせず、内々のうちに話をつけようとしたら、あれだけ一方的に殴られながら逆に示談金をふっかけられたおそれもあるでしょう。

ということで、本件は酒場のケンカにおいて一方が行き過ぎたというだけの話で、あとはリオン容疑者が正当防衛なのか過剰防衛なのか、それとも単なる一方的暴行なのか、今後粛々と捜査すればよい。それがこの事件に対する私の3番目の感想です。

それにしても、「会員制バー」であれば普通に考えて、常連が安心して飲めるところであり、店主はトラブルが起きないよう気遣わなければならないはずなのに、一部の芸能人(海老蔵を含む)が幅をきかせていたり、ヤクザまがいの人間が出入りしていたりすることが許容されるとは、東京とは不可解な街だなというのが、この事件に対する私の2番目の感想です。

そして、酒乱の海老蔵を擁護するつもりはありませんが、ヤマキのCMは好きなので、今後も自粛せずに流してほしいなというのが1番の感想です。
養育費の話、続き。

前回紹介した例として、夫の年収が5~600万円で、収入のない妻が2人の子を引き取って離婚する場合、家裁で調停すれば、夫が支払うべき養育費として8万円程度(2人分合計で)と決められるであろうといった話をしました。

このように調停で取り決められた場合、夫側から不満顔でよく尋ねられます。「不景気でいつ収入が下がるかもわからないのに、それでも決まった8万円を支払い続けないといけないのですか」と。

これに対する答えは「その通り」です。それは別に不当なこととは思えません。逆に、がんばって仕事して年収が倍になっても、決まった金額以上に払う必要はないのですから。

女性からよく聞く不満としては、「将来、子供に何があるかもわからないのに、月8万円程度では確実に安心させてやれない」、というものがあります。

これは、前回書いたとおり、自助努力で何とかしてもらうほかないです。そもそも世の中、幸せな結婚生活を送っている夫婦だって、確実に安心な生活などありえない。
例えば私だって、いつ不祥事を起こして弁護士資格を失うか知れないし、酒の飲み過ぎで死ぬかも知れない、そうなれば自宅のローンも払えなくなるかも知れないのです。

離婚すると「家計」が2つになって、食費や住居費などの生活関連費用が増え、一緒に暮らしていたとき以上に夫婦とも過酷な状況に置かれることになります。それがイヤなら離婚をガマンするか、そもそも、結婚や出産自体をガマンすべきです。

どうしても経済的に裕福な離婚をしたい、という方は、サエコみたいにがんばってダルビッシュくらい稼ぎのある人を捕まえるしかないです。

さてそのダルビッシュ、養育費は相当な金額になるだろうと前回書きましたが、それでも、プロスポーツ選手の選手生命はそう長くないから、ダルビッシュの2人の子供が成人するまでプレーできるとは思えない。

今後彼がメジャーに行って収入がもっと増えるかも知れないし、ケガで引退して収入が激減するかも知れない。それでも冒頭に書いたように、ダルビッシュは決まった養育費を支払う義務を負います。また、仮にサエコがダルビッシュ以上のお金持ちと再婚しても同じです。

ただ、ダルビッシュに限らず誰でも、養育費の支払い期間中に収入が大幅に下がることはあるし、妻が再婚して経済的に裕福になることもある。そういう場合は、夫側から再調停を申し立てて、養育費の金額を下げてもらうことはできます。

逆に妻からも、夫の収入が上がったときには、それを前提に養育費を上げてもらうよう、調停を申し立てることができます。

そのような正式な手続きを踏まずに、養育費の額を一方の事情だけで勝手に上げ下げすることはできないということです。

以上、ダルビッシュ夫婦を勝手にモデルとして「離婚とカネ」についてシミュレートさせていただきました。連続講座をひとまず終了します。

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