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大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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法律相談をする相手としての弁護士の優位性は、知識を持っているだけではなく、それを実現する「手続き」を知っている点にある、という話をしまして、その続き。

その手続きとは具体的には、調停、裁判や強制執行のことを指します。
これらもひとつの「知識」であって、決して門外不出の秘伝というものではない。
六法全書に載っているし(家事審判法、民事訴訟法、民事執行法)、大きな書店に行けば解説書も売っています。インターネットでもある程度、調べることは可能でしょう。

それでもなお、これらの相談は弁護士に頼むのが良いと断言できます。
それは弁護士が、この手続きを実際に行なったことがあるため、単なる知識でなくて「経験」や「実感」を踏まえた知識を有しているからです。

一般の民事事件を扱っている弁護士ならたいてい、この手の事件は扱ったことがあるので、裁判したらどの程度勝ち目はあるか、どれくらいの時間と手間と費用がかかり、実際に慰謝料をいくらくらい取り立てできるか、といったことの見通しが立つ。

勝ち目の薄い裁判(浮気の証拠がないなど)なら、裁判で争っていくのは大変だし、取り立て不能な相手(無職で財産がないなど)なら、相場どおりの慰謝料を取るのは実際には難しい。
そうした場合、弁護士なら、裁判をする手間より、やや不本意な条件であっても協議離婚や調停での決着を勧めることがあります。

言い方は悪いですが、そういう場面では、中途半端な知識を持っている人が、一番やっかいなのです。
「離婚カウンセラー」から「浮気した夫からは慰謝料が何百万円か取れる」と知識だけを聞いてこられると、そのためにかかる手間といった観点が欠落してしまう。

「とことんやります」と息巻いて裁判で争うだけ争って、取るものも取れずに終わったケースを、弁護士はいくつも知っています。そういうときに「離婚カウンセラー」たちは結果に対する責任を決してとってくれません(強制執行手続きを代理できるのも弁護士だけなので)。

大阪弁護士会の抗議は、傍からみれば、「弁護士が自らの職域を守るために汲々として度量のないことを行なっている」と受け取られるかも知れません。
しかし、弁護士は民事紛争解決のプロであり、離婚カウンセラーや行政書士に職域を荒らされるとは、全く思っていません(少なくとも私は)。

だから今回の抗議の意図するところは、弁護士以外の、依頼者のために権限も責任も持てない人たちが事件に関わることは、結果的に依頼者の不利益になるのだ、ということを言いたかったのだ、と思っています。
この件で大阪弁護士会の上層部と話したことはないので、以上私見です。
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