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大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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昨日の夕刊は、死刑がらみの注目すべき事件が2つ載っていました。
 
ひとつは、死刑判決が確定している「名張毒ぶどう酒事件」で、再審が開始される見込みが出てきたことで、この話は明日以降に書きます。もう一つは、中国で日本人に対する死刑が執行されたことで、今日はこちらについて触れます。
 
この日本人は、中国から麻薬を密輸しようとして捕まり、死刑判決を受けました。
 
まず前提として、日本の麻薬取締法には死刑はないですが、中国で起こった事件だから、中国で裁かれることになります。
中国に限らず、その国で起こった犯罪にはその国の法律が適用される。これを「属地主義」といいまして、日本の刑法も基本的にはそうです(なお、日本で不祥事を起こしたアメリカの軍人を日本で裁けないのは、日米間の条約でそういう決まりになっているからです)。
 
ということで、中国での事件に中国で死刑判決が下されても、やむをえないとも言える。
ただ、死刑に至るまでに、この日本人はきちんと自分の言い分を聞いてもらえたか、「足利事件」のような冤罪の可能性はないのか、という懸念はあります。
 
同じ外国で起こった事件として有名なものに「メルボルン事件」があります。オーストラリアを旅行中の日本人数名が、空港で麻薬を所持していたとして懲役刑を受けたというものです。
 
伝えられているところでは、その日本人は旅行中にカバンを紛失し、現地のガイドに代わりのカバンをもらったら、そのカバンの底板の奥に麻薬が入っていたそうです。それが事実かどうかは知りませんが、その日本人はろくに弁解も聞いてもらえず、きちんと通訳をつけてもらえず、懲役10数年という判決を受けました。
(私がこの話を聞いたのは平成12年ころ、司法研修所の教室でした。当時その日本人はオーストラリアで服役中と聞きましたが、その後の経過については存じません。)
 
今回の事件も、中国という、日本その他の「西側諸国」とは異質な考え方を持つ国家で、どこまで適正な裁判が行われたのかというと、そのへんは「わからない」としか言いようがない。
 
今回の死刑執行に対しては、日弁連の宇都宮会長が「遺憾」とするコメントを出したようです。
 
死刑執行に対して人権派団体が批判のコメントを出すと、私個人としては「法律で決まったことだから執行は当然だろう」と思ってしまうほうなのですが、今回の執行については私も、もっと慎重にされて然るべきだったと思っています。
日本の刑事司法はかなり慎重で精密ですが、それでも間違いは起こっているのです。名張毒ぶどう酒事件の記事とあわせて読んで、よりその思いを強くしました。
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