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大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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香川保一元判事のことについて書く、と言いつつ、しばらく空けてしまいました(毎度、更新頻度にムラがあってすみません)。
 
この元最高裁判事は、退官後、法務省の所管の下にある社団法人「民事法情報センター」というところに勤め、その後ほどなく、理事長になりました。
民事法情報センターとは、一般にはなじみが薄いですが、不動産の登記に関わる仕事をしていれば、誰でも知っています。
 
私は弁護士になる前、司法書士の資格を取って司法書士事務所に勤めていたことがあります(平成7年ころ)。
そのころ、「登記情報」という雑誌があり、これは私の知る限り、ほとんどの司法書士が買っていて、登記の手続き(書類の記載方法や必要書類など)に関して法務省が出した最新の通達が載っています。月1回発行で年間購読料は1万円程度です。
 
この、「登記情報」という雑誌を出版しているのが、民事法情報センターです。
今、この雑誌は、「登記インターネット」という、もう少し名前を考えれば良かったのにと思うようなタイトルの雑誌になって存続しています。
 
もう一つ、民事法情報センターが出している出版物で広く使われているものに「ブルーマップ」というのがあります。これは、日本の都市部の土地について、その住所(住居表示)と地番の対応を示したものです。
 
例を出して簡単に言えば、私の実家は、昔、大阪市東成区の「東小橋南之町○番地」にありました。これが地番です。実家の場所は変わっていませんが、今、実家の住所は「東小橋○丁目○番○号」になっています。これが住居表示です。
 
郵便を送る際には現在通用している住居表示で届くのですが、相続などで登記名義が変わる際には、昔ながらの地番が必要です。その地番が載っているのがブルーマップです。
 
私たち弁護士でも、訴えた被告がお金を返さない場合など、その人の土地に差押えの登記をするために、地番を調べる必要があります。
ブルーマップは法務局に備え付けてありますが、コピーすることはできず(なぜできないかは不明)、買おうとすると、大阪市なら24の区ごとにそれぞれ1冊のブルーマップがあり、1冊で2万数千円します。
 
考えてみれば非常におかしなことです。
国の行政上の都合で、昔ながらの「地番」を「住居表示」に変えておいて、訴訟手続をしようとしたら、裁判所は「被告の住所と、差し押さえる土地の地番が一致することを証明してください」という。それを証明するほとんど唯一の証拠はブルーマップですが、買おうと思えば高いお金が必要になる。
 
そして、そのお金は民事法情報センターの収益となり、そこから、香川元判事に1500万円という貸付が行われていたのです。
 
何のための貸付だったのかとか、報道されてから返済したらしいとか、新聞には載っていますが、そんなことはどうでも良い。元法務省のエリート、元最高裁判事が、保証人も担保もなしに、法務省の関係する法人から多額のお金を受け取っていたこと自体が問題なのです。
 
民主党の「事業仕分け」は、見世物的で好きではないのですが、どうせやるなら、このあたりを、ぜひ香川元判事を呼んでやっていただきたいと思っています。
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