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大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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前々回に途中まで書いた、動産の差押えについて。

不動産や債権と違って、動産は差押えをしてもあまり金にならないものが多い。
現に、ロプロ大阪支店でも、現金数万円とパソコンが差し押さえられたに過ぎない。債権者(強制執行を申し立てた側)は、500万円くらいの過払い金の返還請求権を持っているようなので、1パーセント程度が回収できたに過ぎない。

それでも、執行官がやってきて差し押さえをするのはかなり衝撃を与えると、ここまでは前々回書きました。

動産を差し押さえられるとはどういうことなのか。
ある日突然、債務者つまりお金を払う側の自宅(債務者がロプロのように会社であればその本社や支店)に、裁判所から執行官がやってきて、「今から動産を差し押さえます」と言われる。

債務者が商店をやっていて、商品の在庫(家電製品や衣料品など)があれば取り上げた上で、いったん倉庫業者などに預けて保管する。

債務者が自宅や本社・支店で仕事に使っているパソコンなども差押えできる。しかしこれを持っていってしまうと仕事ができなくなるので、ひとまず差押えの「札」を貼っておく(実際には小さいシールを目立たないところに貼られるだけですが)。

なお、債務者の自宅にある鍋・釜や冷蔵庫など、生活必需品は差し押さえないことにしているようです。

で、取り上げられたり「札」を貼られたモノはどうなるかというと、後日、競売にかけられる。と言っても、中古の在庫商品や、誰かが使ったパソコンなど、大した値段がつくはずがない。まさに二束三文です。

でも債務者としては、商品在庫や仕事用のパソコンが取り上げられると大変なので、競売が行われる日までに何とかしようとすることが多い。つまり、何とかお金をかき集めてきて債権者に返済しようとして債権回収が行われることも多い。
ロプロも、パソコンが競売にかけられる前に、きっとお金を集めてきて返済に充てるでしょう。

モノに限らず、お金がある場合はそれも押さえて持っていくことができる。ロプロの事件でも、現金数万円が押さえられたようです。
一般的には、債務者が生活に困らない程度の差押えしか許されないので、そこそこお金がある場合に、一部だけ取り上げるという運用がされているのではと想像するのですが、私が経験した動産差押えでは現金を取ったことはないので、実はよく知りません。

このように、動産差押えは回収率は悪いのですが債務者に与える心理的動揺が大きい点で、強力な手続きといえます。

借りたお金を返さないまま「俺には財産がないから取られるものはない」と開き直っているような人は、ある日突然、執行官が家にやってくるかも知れませんのでご注意ください。
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