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大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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押尾学にまたも、麻薬取締法違反で逮捕状が出ました。
 
この事件、こないだ執行猶予判決が出て終わったんじゃないの? と思った方もおられるかも知れませんが、前回のは麻薬の「使用」で、今回は「譲渡」です。同じ麻薬取締法ですが、使用と譲渡では条文が違うので、別の犯罪とされる。
 
憲法には、一度裁かれたら同じ罪で裁かれることはないという「一事不再理」の原則が定められていますが、別の犯罪なのでこの原則は働かない(法学部生向けに注。公訴事実の同一性の範囲では一事不再理効が及びますが、使用と譲渡は併合罪ですから、範囲外となります)。
 
押尾学の容疑は、ご存じかと思いますが、六本木ヒルズのとある密室で女性にMDMA(合成麻薬)をあげて(譲渡)、自分も飲んだ(使用)、というものです。
 
常識的には、譲渡と使用は一体の行為で、先日の裁判で麻薬のことは終わってるんではないか、譲渡のほうも裁くというなら、前の裁判のときに合わせて起訴しておくべきだったのではないか、とも思えます。
 
刑事訴訟法の教科書には、こういうケースは一事不再理を及ぼすべきだ、という見解も出ていますが、それはあくまで学者の議論で、判例・実務は別々に裁くことができるとしています。
 
もっとも、だからと言って、こういう形での再逮捕・再起訴は異例のことで、滅多にないと思われます。
常識的にみて一体の行為を、後から追加で起訴するのは、裁判所にとっても二重の手間になるし、警察・検察としても自ら「私たちには迅速な捜査能力がありません」と言っているのに等しいからです。
 
今回の異例の再逮捕の理由は、報道されているとおり、一緒に麻薬を飲んだ女性が亡くなっている件について、保護責任者遺棄致死罪で再逮捕するためでしょう。こっちのほうはまだ証拠が固まっていないから、麻薬譲渡で逮捕しておいて、保護責任者遺棄致死の証拠を固め、自白を取るのが目的だと思われます。

これは違法な「別件逮捕」ではないか、との疑問も出てきますが、その議論は置いておきます。
 
最後に、いま「再逮捕」と書きましたが、逮捕状が出たのが12月4日ころで、現時点(6日)で押尾学は逮捕されていません。
その理由は知りませんが、警察が今さら押尾学を取り逃がすとも思えないので、押尾学の名誉のために、任意で警察署に出頭するよう警察が呼びかけているところなのではないかと想像しています。
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