大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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東国原さんや橋下さんたち知事が、ついに国政に打って出るかも、という状況になりつつあります。
東国原知事は、地方分権を実現するために国政に行く、という趣旨の発言もされているようです。橋下知事が、国が地方に多額の「負担金」を支払わせていたことに対し「ぼったくりバー」と批判したのも記憶にあたらしい。
自民党がこの2人にアプローチしているのは、選挙での人気取りもあると思いますが、地方分権や地方への財源の委譲がどこまで実現するか、興味はあります。
私は、財政や地方自治のことは全然知らないのですが、思ったことを少し書きます。
大昔、徳川幕府は、いろんな名目で各藩の大名から上納金を取っていたでしょう。明治政府は中央集権国家の実現のため、これをさらに推し進めた。かなり乱暴な理解ですが、こういう制度が現在も、国が地方に支払わせる負担金の形で残っている。
しかしそれは、「統一国家」である以上は仕方がないように思います。
私の身近なところで、司法制度を例に挙げます。
司法権というのは、最高裁判所と、その下にある下級裁判所(高裁、地裁など)に属すると憲法に書いてあるから、いかに地方分権を進めるといっても、裁判に関する権限を地方自治体に与えることはできない(そうでないと都道府県・市町村ごとに裁判制度が違って混乱するでしょう)。
中でも身近なものに、国選弁護人制度がある。刑事事件で起訴された被告人が経済的理由などで弁護士をつけられない場合に、国の費用で弁護士をつける制度です。
近年、この制度が拡張され、逮捕された被疑者(容疑者)になった段階でも広く国選弁護人がつくようになった(逮捕直後に弁護士が必要なのは、多くの冤罪事件を見ても明らかです)。
この国選弁護人に対する報酬は、「国」から弁護士に支払われます(国から被告人や被疑者にあとで請求される建前になっていますが、免除されることも多い)。では国が、このお金を払わないと言ったらどうなるか。
国選弁護人は、弁護士が安い報酬で行うことになっています(あまりに安いので私は現在、国選の仕事を受けていません。前回の話にも絡みますが、司法改革の影響で今後そういう弁護士が増えるかも知れません)。
国が、国選弁護の報酬を廃止するなどと言い出すと、いよいよ国選弁護をやる弁護士がいなくなる。
弁護人がつかないと、刑事裁判ができない(憲法にそう書いてあるため)。犯人なら刑務所に送る、無実なら早期に釈放する、という処理ができなくなるわけです。
すると「容疑者」とされた人は、有罪とも無罪ともつかないまま、警察署の留置場などに留め置かれる。そのうち留置場がパンクして、「容疑者を逮捕できない」状態になる。
そんなことが、皆さんの地元の警察署で起こったらどうなるか。間違いなく、皆さん方の「地方」の治安が極度に悪くなります。
つまり、「地方」の治安は、「国」が出すお金のおかげで維持されているのです。
かように、国のお金が地方に活かされているのと同様に、地方のお金も国のためにある程度の負担があって当然であると思います。
橋下さんは「国は『ぼったくりバー』だ」と言いましたが、私にはどうしてもこの発言は、
これまで店主(国)と客(地方)が持ちつ持たれつの信頼関係でやってきたところに、突然、「明細書を出せ、この会計は何や、こんなもん払わん」と、ガラの悪い客ががなり立てているような印象を受けてしまうのです。
国家の財政により地方が恩恵を受ける一方で、地方が国に対して一切の負担をしないというのなら、地方こそぼったくりではないかと思うのです。
東国原知事は、地方分権を実現するために国政に行く、という趣旨の発言もされているようです。橋下知事が、国が地方に多額の「負担金」を支払わせていたことに対し「ぼったくりバー」と批判したのも記憶にあたらしい。
自民党がこの2人にアプローチしているのは、選挙での人気取りもあると思いますが、地方分権や地方への財源の委譲がどこまで実現するか、興味はあります。
私は、財政や地方自治のことは全然知らないのですが、思ったことを少し書きます。
大昔、徳川幕府は、いろんな名目で各藩の大名から上納金を取っていたでしょう。明治政府は中央集権国家の実現のため、これをさらに推し進めた。かなり乱暴な理解ですが、こういう制度が現在も、国が地方に支払わせる負担金の形で残っている。
しかしそれは、「統一国家」である以上は仕方がないように思います。
私の身近なところで、司法制度を例に挙げます。
司法権というのは、最高裁判所と、その下にある下級裁判所(高裁、地裁など)に属すると憲法に書いてあるから、いかに地方分権を進めるといっても、裁判に関する権限を地方自治体に与えることはできない(そうでないと都道府県・市町村ごとに裁判制度が違って混乱するでしょう)。
中でも身近なものに、国選弁護人制度がある。刑事事件で起訴された被告人が経済的理由などで弁護士をつけられない場合に、国の費用で弁護士をつける制度です。
近年、この制度が拡張され、逮捕された被疑者(容疑者)になった段階でも広く国選弁護人がつくようになった(逮捕直後に弁護士が必要なのは、多くの冤罪事件を見ても明らかです)。
この国選弁護人に対する報酬は、「国」から弁護士に支払われます(国から被告人や被疑者にあとで請求される建前になっていますが、免除されることも多い)。では国が、このお金を払わないと言ったらどうなるか。
国選弁護人は、弁護士が安い報酬で行うことになっています(あまりに安いので私は現在、国選の仕事を受けていません。前回の話にも絡みますが、司法改革の影響で今後そういう弁護士が増えるかも知れません)。
国が、国選弁護の報酬を廃止するなどと言い出すと、いよいよ国選弁護をやる弁護士がいなくなる。
弁護人がつかないと、刑事裁判ができない(憲法にそう書いてあるため)。犯人なら刑務所に送る、無実なら早期に釈放する、という処理ができなくなるわけです。
すると「容疑者」とされた人は、有罪とも無罪ともつかないまま、警察署の留置場などに留め置かれる。そのうち留置場がパンクして、「容疑者を逮捕できない」状態になる。
そんなことが、皆さんの地元の警察署で起こったらどうなるか。間違いなく、皆さん方の「地方」の治安が極度に悪くなります。
つまり、「地方」の治安は、「国」が出すお金のおかげで維持されているのです。
かように、国のお金が地方に活かされているのと同様に、地方のお金も国のためにある程度の負担があって当然であると思います。
橋下さんは「国は『ぼったくりバー』だ」と言いましたが、私にはどうしてもこの発言は、
これまで店主(国)と客(地方)が持ちつ持たれつの信頼関係でやってきたところに、突然、「明細書を出せ、この会計は何や、こんなもん払わん」と、ガラの悪い客ががなり立てているような印象を受けてしまうのです。
国家の財政により地方が恩恵を受ける一方で、地方が国に対して一切の負担をしないというのなら、地方こそぼったくりではないかと思うのです。
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