大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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少し前の新聞記事ですが、「弁護士が自己破産」という見出しを見ました(23日読売夕刊など)。
ニュースになるくらいですから、弁護士が破産することは、これまでは少なかったのだと思われます。私も聞いたのは初めてです。
大阪弁護士会の方だそうですが、弁護士は破産すると資格を失うので、弁護士会はこの人の登録を抹消したようです。
この方は、新聞記事によると不動産への投資なども行っていたらしく、それも原因の一つでしょう。しかし一般的に弁護士は、普通に仕事していれば、まず破産するようなことはありません。本業の不振が原因で破産した弁護士はこれまでいないはずです。
私たちの仕事は六法全書と電話があればできる、と昔から言われてまして、現代ならファクスとパソコンは必要でしょうけど、仕事自体にそんなにコストはかからない。
弁護士会に払う会費は安くないですが(私はひと月44,000円払っています)、それでも、月に10数万あれば、最低限の事務所は維持できるでしょう。
実際には、大半の弁護士はビルの中に事務所を借りて、職員を雇用しているから、それらの経費はかかるにしても、業績不振なら自宅でひとりでやればよい。
ということで、弁護士が自己破産というのは珍しいケースなのだと思います。
ただ、これまではそうだったのですが、もしかしたら今後は増えるかも知れません。冒頭の弁護士のように不動産投資に手を出していなくても破産するケースが、もしかしたら出るかも知れません。
その理由は、弁護士になるまでに借金がかさんでいる人が、今後、間違いなく増えるからです。
弁護士になるまでにいくらかかるか。
私の例で言うと、司法試験の予備校に2年ほど通って、教科書を買ったりして、ざっと60万~70万円くらいだったと記憶しています。幸い、自分の蓄えだけで乗り切ることができました。
しかし今は、試験制度が変わって、司法試験を受けようと思えば「法科大学院」に2~3年通わなければならなくなった。その学費が必要になります。
司法試験に受かれば、司法修習生となって研修を受けます。私の時代には司法修習生には公務員に準ずる給与が出ていましたが、今後はそれもなくなる方向のようです。
そういう次第で、聞いた話では、人によっては弁護士になるまでに何百万円の借金を背負っている人もいるとか。そしてそれに弁護士の人員増加による就職難が加わる。
数百万円の借金を背負っているのに、就職がなく、決まった給与がもらえるわけではない。
こういう状況は普通、「自己破産」を考えないといけないケースです。
これが近年進められてきた「司法改革」の結果なのだとすれば、改革自体を考え直す必要があるようにも思えてきます。
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