大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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東京地検による小沢さんの事情聴取について触れます。
注目すべき点は、新聞やテレビでも報道されているとおりですが、検事が小沢さんに「黙秘権」があると伝えていることです。
黙秘権というのは簡単にいえば「言いたくないことは言わなくてよい」という権利なのですが、実はこれはものすごい特権なのです。
たとえば、皆さん方のように犯罪とは無縁の生活を送っている人でも、事件の目撃者になった場合は、「証人」として裁判所に呼ばれる可能性があります。
このとき、「いっさい関わりたくないから証言しません」と言って通用するかというと、そうはなりません。証人として呼ばれたら、公正な裁判の実現のために協力して証言するのが義務とされており、理由もなく法廷に出なかったり、法廷に出てもダンマリを決め込んだりすると、「10万円以下の過料」という、罰金の一種が科せられます(民事訴訟法192条、刑事訴訟法160条など)。
ただ例外的に、「それを話すと自分やその親族が犯罪責任を問われかねない」ような事柄に関することは証言しないことができるし、また、私たち弁護士や医師など、人のプライバシーに関わる仕事をしている者であれば、「依頼者の秘密」を理由に証言拒否できる。
このように、証人になった場合は原則として、何でも正直に話さねばならず、証言拒否権が認められるのは極めて限定的な場合に限られます。
黙秘権は、これとは全然違います。自分に有利なことも不利なことも、一切言わなくていい。質問に対し、ずっと黙っていてもいい。黙っておくことについて理由も要らない。それによって罰を受けることもない。
こんな特権が認められる人々は、世の中に2種類しかいません。被告人と被疑者です。
ご存じのとおり、被告人は刑事裁判を受けている人を言い、被疑者は、マスコミでは容疑者と呼ばれますが、犯罪の疑いをかけられている人です。
これらの人は、裁判所や検察から追及されているという弱い立場にあるため、憲法や刑事訴訟法により、一般の国民には認められない特権が与えられているのです。
今回、東京地検は小沢さんに「あなたには黙秘権があります」と告知したそうですが、これは検察が小沢さんに「うちではあなたを容疑者として扱っています」と言ったのと全く同じ意味です。
新聞は遠慮して「小沢容疑者」という表現を使っていませんが、法的にいえば小沢さんは明らかに被疑者、容疑者なのです(のりピー報道に関しても似たような話をしました。こちら)。
検察が小沢さんを容疑者として扱った理由については、「告発」が受理されたからだ、とも説明されていますが、このことの意味については次回に続く。
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