大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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仕事柄か、陰でこっそりうまいことやってる人は叩きたくなるのですが、逆に、叩かれている人は擁護したくなります。
先日、当ブログで、法務省所管の社団法人・民事法情報センターの無担保融資について浅い批判を書きましたが、今回は、民主党の事業仕分けでやり玉に挙げられた、同じ法務省所管の財団法人・司法協会を擁護しようとしております。
司法協会の業務で私たち弁護士になじみが深いのは、裁判記録の謄写(コピー)業務です。
たとえば刑事事件で、検察官が裁判所に提出した証拠をコピーして取り寄せようとする。そのとき、大阪地裁なら地下1階の一画に司法協会の窓口があり、そこでコピーを一式つくってください、と依頼することになります。
事業仕分けで問題とされたのは、その際のコピー代が「1枚50円」であるのが高すぎないか、ということです。カラーコピーではなく、白黒でこの値段です。コンビニにいけば1枚10円だから、5倍の値段です。いまどき探せばもっと安いところだってある。
高いコピー代は、弁護士が自腹を切ることもありますが、依頼者に請求せざるをえないことも多い。国民の負担になっているわけです。
ただ、だからと言って直ちに、この分野に民間を導入して競争させる、というのは、問題でしょう。何せ、扱っているのは訴訟記録です。刑事事件なら、被害者の個人情報や、死体の写真や、わいせつな画像なども、そこに含まれる。
そういう記録を、法務省の監督下の法人が扱うのではなく、「入札で一番安いコピー代を提示した民間業者が扱う」と言われれば、不安を感じない人はいないでしょう。
だからさすがに民主党も、司法協会の謄写事業を「廃止する」とは言っていなくて、「費用が安くなるように見直せ」と言っているだけです。
1枚50円、確かに高いと、私の同業者は誰しも言っています。
もっともそれは、訴訟記録という極めて厳重な管理を要求される資料を、間違いの起こらないように扱いつつ、きれいにコピーし、表紙をつけて製本までする、という手間を考えると、ある程度高くなるのはやむをえないように思えます。
私なら「1枚10円にしてやるから自分でコピーしろ」と言われてもやらないでしょう。かかる手間と、負うべき管理責任が大きすぎるので。
ということで、司法協会の謄写事業については基本的にはこれでいいのかな、とも思っていますが、同じクオリティを保ちつつ代金が安くなるなら、それに越したことはないので、見直しはどんどんやってもらいたいです。
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