忍者ブログ
大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
[65]  [64]  [63]  [62]  [61]  [60]  [59]  [58]  [57]  [56]  [55
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

草なぎ剛の事件、さらに続き。彼を逮捕したことは妥当だったかという点について。

私は、妥当であったと考えています。
法律家としては、逮捕の適否を考えるに際して、草なぎクンはいい人なのにかわいそうとか、そういうことを考慮の要素にしてはいけない。刑事訴訟法に規定されてある逮捕の要件、つまり逮捕の理由と必要性があったかなかったかで判断することになります。

以前ここでもやや詳しく触れましたが(こちら)、逮捕の理由とは容疑があること、必要性とは逃亡の可能性や証拠隠滅の疑いがあることを指します。

この事件の場合、警察官の目の前で現に裸になっているから、公然わいせつの容疑があることは明らかです。
逃亡の可能性については、有名人だから逃亡することは考えにくくても、逮捕当時の警察官が相手は草なぎクンだと気づいていたかどうか不明だし、行動の異常さからして、その動機(つまり薬物の影響)を洗う必要があり、逮捕せず帰すと証拠隠滅の疑いはあった。

法律の解釈を抜きにしても、自宅周辺に男が全裸でわめいているような状況になれば、誰だって逮捕してほしいと思うでしょう。
このときに現場の警察官が、「公然性はあるかないか」とか、「わいせつの定義にあてはまるか」とか、「彼はホントはいい人なんじゃないか」とかいったことを考えて逮捕をためらうようになれば、到底、街の治安の維持は望めません。

あと、逮捕でなくて「保護」されるべきであったという指摘も見られます。
いわゆる「トラ箱」です。酔っ払いは警察の留置場に一晩とめおかれて帰される、というものです。

これは、私もきちんと調べたわけではないですが、「酔ってクダをまいている」というレベルならともかく、「全裸でわめいている」という状態まで加わってしまうと、これは一見して「変質者」であって、「トラ箱」のレベルではなくなっているように思います。

今回もし、草なぎが逮捕されなかったとすれば、タチの悪い酔っ払いや、露出狂や、その他諸々の変質者はきっと喜ぶでしょう。「酔って裸でわめいてても警察に逮捕されない」という先例ができてしまうわけですから。

またこの場合、「草なぎクンはいい人だから逮捕されない、その他の人は悪い人だから逮捕していい」というのはあり得ない考え方です。警察が逮捕に際して、法律の解釈を離れて、人格による差別をすることを認めることになるわけですから。

以上のことから、草なぎ剛の逮捕はやむをえない、というか当然のことと考えています。
何だか弁護士でなくて検察官みたいないことを書いてしまったような気がしますので、次回、もう少しフォローが続く(かも)。

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
お知らせ
一時的に戻ってきました。 左上に「裏入口」という小窓が出てくるかも知れませんが、当ブログとは関係ありません。おそらくアダルトサイトへの入口なので、クリックしないでください。
現在の来訪者数
ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ [PR]