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大阪市西区・南堀江法律事務所のブログです。
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最近雑感続きですので、法律ネタを増やしていきたいと思います。

少し前に、タレントの羽賀研二の詐欺・恐喝未遂事件で大阪地裁が無罪判決を出したことに触れました。その決め手の一つとなったのは、公判の最後になって出てきた弁護側証人が、羽賀研二は騙していない(安い株を騙して高く買わせた事実はなく、被害者側はもともと安い株だとわかっていた)、と証言したことです。

ところが少し前に一部新聞で、それが実は「偽証」であって、その証言をした人を偽証罪で立件すべきか否か、大阪地検が検討している、といった報道がされました。

この証人が偽証したのかどうか、事件や裁判の内容を詳しく知らないので、今は何とも言いようがありません。ここでは、偽証罪とは何かという一般論について触れます。

偽証とは、ウソの証言をすることです。
民事事件でも刑事事件でも、法廷で証人として証言するときは、「うそをつかない」という趣旨の宣誓書を書いた上で、法廷の証言席で起立して宣誓させられる。その上でウソをつくと、偽証罪という犯罪になります。

どの程度の罪になるかというと、懲役3か月から10年です(刑法169条)。
ウソをついたというだけで懲役10年がありうるので、けっこう重い犯罪です。

では、「宣誓した上でウソをついたら犯罪になるというのなら、最初から宣誓などしない」と、宣誓することを拒絶するとどうなるか。
そういう変な度胸がある人を私はこれまで見たことはありませんが、民事訴訟法には、宣誓を拒絶すると10万円以下の罰金が科せられると規定されています(201条、192条)。

かように、証人になるというのは厳粛なことなのですが、ただ、法廷でウソをつくと必ず懲役刑になるのかというと、実際はそうでもありません。偽証のすべてについて警察がいちいち動くわけではない。

ここでとあるデータを見ますと、
10数年前の数字ですが、1年間のうちに、偽証罪で逮捕される人は3人だそうです。
比較してみると、殺人罪で逮捕された人は約1200人、窃盗罪なら約16万人です。
偽証罪の年間3人というのが際立って少ないことがわかると思います。
つまり、よほどの重大事件で大ウソをついたときに限り、偽証罪として立件されるようです。

それでも、やはりウソをつきとおすのは困難であり、偽証罪にならなくても裁判上で不利になることは多いと思うので、正直が一番です、と無難にまとめました。
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